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糖尿病の成因にもとづいた分類


○その他の特定の機序、疾患によるもの
 糖尿病の第三の病型は、さらに細分化して、A「遺伝子素因として遺伝子異常が固定されたもの」と、B「他の疾患、条件に伴うもの」に分けられます。Aは、最近次々にあきらかになった単一遺伝子異常による糖尿病であり、インスリン遺伝子やインスリン受容体遺伝子異常などのほか、若年発症で濃厚な家族歴があり(常染色体優性)、若年発症成人型糖尿病と呼ばれるものやミトコンドリアDNAの異常による糖尿病などが含まれています。

 ミトコンドリアはエネルギー産生に重要な働きをしている細胞内小器官ですが、ミトコンドリアDNAの変異によってインスリン分泌が低下し、超尿病をきたすことがあきらかになりました。このタイプは、母系遺伝すること、難聴を伴うことが多いなどの特徴があり、日本人では全糖尿病の1パーセント程度に見られるといわれています。

 その他の糖尿病のBは、いわゆる二次性糖尿病であり、膵外分泌疾患、内分泌疾患、肝疾患、薬剤性などに細分されます。内分泌疾患によるものは、末端肥大症、クッシング症候群、褐色細胞腫、甲状腺機能亢進症などに伴うものです。

 ありふれた2型糖尿病と診断されている中に、これらの内分泌疾患による二次性のものがひそんでいる場合があります。例えば、末端肥大症では脳下垂体の腫瘍を摘出することによって、糖尿病が完全に治癒する可能性があります。薬剤性のものでしばしば見られるのは副腎皮質ホルモン薬服用中にみられる糖尿病です。

2012年3月31日

糖尿病の成因にもとづいた分類


○2型糖尿病
 2型糖尿病は、1型糖尿病のようなあきらかな特徴に乏しいタイプと言えます。インスリン分泌低下にインスリン抵抗性が加わってインスリンの作用の不足がおこるもので、糖尿病患者全体の90パーセントくらいを占めています。

 2型糖尿病の臨床的特長は中年以降に発症することが多く、発症はゆるやかで、肥満している人が多いこと、家系内に糖尿病の人がいる場合が多い(遺伝性が濃い)などです。糖尿病を起こしやすい遺伝素因があり人に肥満、過食、高脂肪食、運動不足、ストレスさらには加齢などの環境因子、後天的な因子が加わってはっしょうにいたるものです。「生活習慣病」に含まれる糖尿病は2型糖尿病です。したがって、治療はまず食事療法、運動療法をおこなうことが大切で、生活習慣の是正によって肥満が解消できれば高血糖状態もいちじるしく改善することが期待できます。

 2型糖尿病の真の原因は今のところよくわかっていません。すなわち、何故インスリン分泌が低下するのか、インスリン抵抗性が起こるのかという根本的な原因は解明されていません。2型糖尿病は病態(インスリン分泌低下、インスリン抵抗性、高血糖の程度など)の点でも、成因の点でも不均一であり、多様な疾患が集まっている状態ともいえます。

 ここで、インスリン依存型、非依存型という呼び名と、1型、2型という呼び名の関連についてもう一度説明すると。インスリン依存型、非依存型という呼び名は、インスリン依存性の程度あるいは治療上インスリン注射が不可欠かどうかという観点にもとづくものです。いっぽう、1型、2型は成因による分類の呼び名です。1型糖尿病の多くはインスリン依存型(あるいはインスリン依存状態)にしんこうします、1型イコールインスリン依存型と考えても良い場合が多いのですが、中には1型でも徐々に進行(悪化)していく途中の過程でとらえればインスリン非依存型(状態)の場合もあります。また、逆に成因的には2型糖尿病であっても、一時的にインスリン注射が不可欠な状態(インスリン依存状態)におちいることがあります。例えば重症の感染症を合併した場合や、清涼飲料水を多飲していちじるしい高血糖とケトン体の上昇がみられ、ケトアシドーシスを呈するような場合です。後者のような状態を清涼飲料水ケトーシスと呼ぶことがありますが、若い2型糖尿病の肥満男性にときどきみられます。

2012年3月29日

糖尿病の成因にもとづいた分類


○1型糖尿病 つづき
 1型糖尿病の臨床的な特徴は25歳以下の発症(若年発症)が多く、肥満でないことが少なくありません。発症は急激な場合が多く、口渇、多尿、多飲、体重減少など典型的な症状があらわれ、治療が遅れると著しい高血糖とケトン体の上昇のため糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態におちいることもまれではありません。このタイプは、2型にくらべると遺伝傾向が少ないことも特徴です。

 1型糖尿病の発症の誘因として、ウイルス感染も想定されており、実際にインフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎などのウイルス感染が先行する場合もみられます。

 成因的には1型糖尿病と考えられる症例でも必ずしも急激な経過を取らず、発症当初は症状も乏しく、食事療法や経口糖尿病薬で治療を受けている場合があります。このようなタイプは緩徐進行型の1型糖尿病と呼ばれています。また、きわめて急激に発病し、自己免疫が関与しないタイプとして劇症1型という亜型が提唱され、注目されています。

2012年3月28日

糖尿病の成因にもとづいた分類


 糖尿病は、WHO(世界保健期間)の1985年の分類ではインスリン依存型糖尿病(1型)、インスリン非依存型糖尿病(2型)、栄養障害関連糖尿病、その他の糖尿病の四つに分かれていました、近年、糖尿病の成因に関する進歩により、遺伝子異常にもとづく糖尿病などが次々にあきらかになってきました。そうした成果をふまえて糖尿病の分類についても世界的に見直しがおこなわれ、1989年にはWHOから診断と分類に関する暫定報告が出されました。

 その分類では、1インスリン依存型糖尿病を1型糖尿病、2インスリン非依存型糖尿病を2型糖尿病と呼ぶことにし、さらに、従来の栄養障害関連糖尿病という分類を廃止し、3として特定の原因によるその他の糖尿病をまとめ、さらに4に妊娠糖尿病が位置づけられるようになりました。インスリン依存型、インスリン非依存型という従来の分類を1型、2型と呼ぶことになりました。

1型糖尿病

 1型糖尿病とは、インスリンを産生、分泌する膵臓のベータ細胞が破壊されてしまい、インスリンが分泌されず、その結果著しい高血糖になり、それを改善するためにはインスリン注射が不可欠な病型です。ベータ細胞の破壊の原因は自己免疫のしくみによることが多く、このタイプの発症早期の患者の血中には膵臓の 糖尿病は、WHO(世界保健期間)の1985年の分類ではインスリン依存型糖尿病(1型)、インスリン非依存型糖尿病(2型)、栄養障害関連糖尿病、その他の糖尿病の四つに分かれていました、近年、糖尿病の成因に関する進歩により、遺伝子異常にもとづく糖尿病などが次々にあきらかになってきました。そうした成果をふまえて糖尿病の分類についても世界的に見直しがおこなわれ、1989年にはWHOから診断と分類に関する暫定報告が出されました。

 その分類では、1インスリン依存型糖尿病を1型糖尿病、2インスリン非依存型糖尿病を2型糖尿病と呼ぶことにし、さらに、従来の栄養障害関連糖尿病という分類を廃止し、3として特定の原因によるその他の糖尿病をまとめ、さらに4に妊娠糖尿病が位置づけられるようになりました。インスリン依存型、インスリン非依存型という従来の分類を1型、2型と呼ぶことになりました。

2012年3月26日

副腎のはたらき つづき


 いっぽう、索状層からのコルチゾールの分泌はおもに下垂体の副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)により制御されています。コルチゾールはグリコーゲン合成促進やグルコース利用の抑制など、糖代謝への影響が強いために糖質ステロイドとも呼ばれます。そのほか、脂肪動員作用やタンパク異化(タンパク質を分解する作用)、電解質作用(アルドステロンと類似の作用)、免疫抑制作用、ストレス防御作用など多様です。アレルギー疾患や自己免疫疾患で糖質ステロイドが使用されるのは、その免疫抑制作用のためです。

 副腎網状層からは、副腎アンドロゲンと呼ばれるステロイドが分泌されています。その分泌調整機構はまだよくわかっていませんが、副腎アンドロゲンは加齢とともに減少します。副腎アンドロゲンは睾丸のテストステロンより男性化作用は弱いものの、タンパク同化作用があり、筋肉量を増加させたり骨を強くする作用があります。

 副腎髄質は皮膚とは全く由来が異なり、交感神経系から生じたものと考えられます。髄質ではアミノ酸であるチロシンからアドレナリン(エピネフリン)というホルモンが合成貯蔵されます。アドレナリンは不安、驚愕、怒りなどの交感神経が興奮する場合に分泌され、おもの心臓に作用し、脈拍を速めます。そのほかに肝臓、脂肪に作用して脂肪を分解したり、グリコーゲンを分解する作用もあります。

 副腎からはアドレナリンのほかノルアドレナリン(ノルエピネフリン)も同時に分泌されますが、その比率は20%程度です。交感神経節からはおもにノルアドレナリンが分泌され、心臓に対する作用よりも血管収縮作用が強く、血圧を増加させます。

2012年3月24日

副腎のはたらき


 副腎は左右の腎臓上部にある内分泌腺で、外側の副腎皮質と内側の髄質に分かれます。皮質には球状層、索状層、網状層の三つの層があり、球状層からアルドステロン、索状層からコルチゾール、網状層から男性ホルモン作用を示すアンドロゲンが分泌され、髄質からはカテコールアミンが分泌されます。

 皮質のステロイドはコレステロールを材料として、さまざまな酵素の働きで作られます。アルドステロンは電解質、特にナトリウムを保持する大切な役割を果たします。アルドステロンの分泌はおもにレニンーアンジオテンシン系というシステムによって調整されます。

 腎臓は、傍糸球体装置という特殊な部分からレニンという一種の酵素を分泌します。循環血漿量の減少やその他の原因で腎血漿量が減少すると、レニンが分泌されます。レニンは血液中のアンジオテンシノーゲンに作用してアンジオテンシン1という物質を作ります。これにアンジオテンシン変換酵素が作用すると、アンジオテンシン2になります。このアンジオテンシン2は血管にはたらいて血圧を上げるとともに、副腎球状層に作用してアルドステロンを作ります。アルドステロンは腎臓に作用してナトリウムの再吸収を促進し、カリウムを排泄する作用があります。もし循環血漿量が増加すると、レニン分泌は抑制され、アルドステロン分泌も低下します。この結果、ナトリウム排泄は増加し、循環血漿量も低下します。

2012年3月22日

カルシュウム代謝とその異状 つづき


 副甲状腺は甲状腺のうしろ側に接する四つの内分泌組織です。PTHは骨にはたらいて骨吸収を促進し、骨から血液中にカルシウムを供給する役割があります。また腎臓に作用してカルシウムの再吸収をうながす、あるいはビタミンDを活性化する作用があり、これらによりPTHは血液中のカルシウム濃度を上げるようにはたらきます。

 もし血液中のカルシウムが低下すると、カルシウムセンサーと呼ばれる分子によって感知されて副甲状腺からのPTH分泌が増加し、逆に血液中のカルシウム濃度が正常以上に上昇するとPTH分泌が抑制されます。このようにして血液中のカルシウム濃度が一定の範囲に保たれています。カルシウムの調整でもう一つ重要なホルモンはビタミンDです。ビタミンDは食物から摂取されるか、あるいは紫外線によって皮膚で作られます。その後、肝臓、ついで腎臓で変化して最終的に活性型ビタミンDとなります。活性型ビタミンDは消化管からカルシウム吸収を促進し、骨形成にはたらきます。

2012年3月21日

カルシュウム代謝とその異状


 体には約キログラムのカルシウムがあり、その99パーセントは骨の成分で、血液などの細胞外液中に900ミリグラム程度存在します。骨は体の保持だけではなく、血液中にカルシウムを提供する重要な役割の果たします。骨は静止状態の組織ではなく、絶えず骨吸収と骨形成を繰り返しています。

 骨吸収とは、骨が破骨細胞によって分解されることで、骨からカルシウムが放出されて血液中に提供されます。いっぽう、骨形成とは、おもに骨芽細胞によって骨組織は作られることをいいます。

 このように骨は、破壊と形成のバランスをとりながら維持されています。私たちは一日に500〜1000ミリグラムのカルシュウムを食物として摂取し、50〜200ミリグラム程度は尿や便から排泄します。したがって、カルシウムを最低500ミリグラム程度取らなければ、カルシウムのバランスは少なくなり、その分だけ骨からカルシウムが失われることになります。食物からのカルシウム吸収にはビタミンDが必要で、これがないとカルシウムの吸収が不良になります。カルシウムはいろいろな細胞の機能に重要で、血液中の濃度は9〜10ミリグラム/デシリットル程度に保たれ、高くても(高カルシウム血症)、低くても(低カルシュウム血症)障害を生じます。このカルシュウムの調節に関与するホルモンで一番大切なのが副甲状腺ホルモン(PTH)です。

2012年3月19日

内分泌・代謝異常の病気


◎慢性甲状腺炎(橋本病)

○診断
 甲状腺ホルモン濃度が低く、甲状腺刺激ホルモン(TSH)の増加で診断は容易につくようです。橋本病では血液中には甲状腺の成分に対するいくつかの自己抗体が検出されます。機能が低下すると、血液中のコレステロールや中性脂肪が増加したり、肝機能の障害を起こしやすく、肝臓病として治療される場合もあります。まれに小児でも橋本病による甲状腺機能低下がみられる場合もあります。

 機能低下があると、身体発育や精神発達も遅れます。甲状腺ホルモンは精神神経系や骨の成長にも必要なためです。

○治療
 橋本病であっても機能が正常なら治療の必要はなく、定期的な検査で過ごせます。機能低下があれば甲状腺ホルモンの補給が必要になります。通常少量の甲状腺ホルモン(サイロキシン)からはじめられ、血液中の甲状腺ホルモンやTSH濃度を測定しながら増量し、濃度が正常化したら、以降は一定量の甲状腺ホルモンを服用します。

 橋本病自体は回復することはないので一生にわたる甲状腺ホルモンの服用が必要となります。量が適切であれば、副作用はありません。甲状腺ホルモンを服用していても妊娠、出産、授乳に何の問題もありません。ただ、妊娠すると甲状腺ホルモンに対する需要が増すので、服用量を増やすこともあります。甲状腺機能低下状態では月経が不順になったり、妊娠しても流産の頻度が増加します。甲状腺ホルモンの濃度が正常化すれば、症状は数ヶ月以内に消失し、日常生活にも制限はありません。ただし、ヨード分を含む食品(こんぶなど)の大量の摂取は避ける必要があります。甲状腺機能が正常な橋本病患者でもヨードを大量に摂取すると、簡単に甲状腺機能が低下してしまいます。

 ヨードは甲状腺ホルモンの材料として必要ですが、多量のヨードは甲状腺機能を抑制する作用もあるからです。

2012年3月18日

内分泌・代謝異常の病気


◎慢性甲状腺炎(橋本病)

 橋本病はバセドウ病と同様に自己免疫の異状による疾患です。リンパ球が甲状腺の中に入り込み、そこで自己免疫性の炎症を起こして、甲状腺組織を障害します。この組織破壊が高度になると、甲状腺ホルモンの合成ができなくなり、機能低下におちいります。

 リンパ球は直接に、あるいは各種のサイトカインや甲状腺組織に対する抗体によって組織を破壊すると思われます。この病気も女性に多く、また加齢に伴って増加します。中年以降の女性では数%がかかっているといわれていますが、甲状腺機能が低下するまでにいたるのはそのうち10%以下で、ほとんどは無症状で経過します。

○症状
 多くの場合、甲状腺にはさまざまな程度にびまん性の比較的かたい腫れがみられます、逆に萎縮することもあります。機能が低下すると、バセドウ病とは逆に代謝が低下するので、体重は増加傾向を示します。進行すると寒がりになり、疲れやすく便秘がちになります。気力、積極性が失われ、いつも眠く、居眠りが多くなります。

 また声が低くなり、早口で話すのが困難になり、聴力も低下します。顔つきもなんとなく生気がなく、ぼんやりとします。まゆ毛の外側の毛や頭髪も薄くなります。脈拍はおそくなり、体温も低下する傾向を示します。心臓の外側の心嚢に水がたまって心不全症状を示すことがあります。さらに記憶障害や精神症状があらわれ、高齢者では認知症と間違われることがあるでしょう。重症になると昏睡からしにいたることもあります。

2012年3月16日

内分泌・代謝異常の病気


◎甲状腺機能亢進症(バセドウ病)つづき

 若い女性に多い病気のため、妊娠や出産には注意が必要です。甲状腺機能が亢進している間は早産などの合併症が多くなるため、妊娠を避けるようにします。機能が正常化したら抗甲状腺薬を服用しても妊娠は差し支えありません。ただ抗甲状腺薬を多量に服用している場合には、薬剤が胎盤を通じて胎児に移行し、胎児の甲状腺機能を抑制する可能性があります。妊娠を希望されている場合や妊娠中の抗甲状腺薬の使用法は、専門医と相談されると良いでしょう。母親の血液中のTRAbの濃度が高い場合には、この抗体が赤ちゃんの甲状腺を刺激してバセドウ病を起こすことがあります。これが新生児バセドウ病です。出生後2〜3週間で自然に良くなりますが、この間治療が必要です。

 抗甲状腺薬が原因の奇形については報告はありますが、まれなものと考えられています。

 妊娠してから初めてバセドウ病が発見されることもあり、この場合も抗甲状腺薬を服用して母親の甲状腺機能を正常化することが大切です。抗甲状腺薬は母乳にもわずかに移行しますが、服用量が少なければ授乳もさしつかえありません。一般的には乳汁への移行の少ないPTUが使用され、四錠以下であればMMIでも差し支えないと報告されています。

 バセドウ病は妊娠中には一般に軽快する傾向があります。出産後数ヶ月後に悪化することが多く、定期的なチェックが必要です。

 目の症状に対しては症状に応じて対処します。眼球突出や眼けん挙上のため睡眠中に完全に目が閉じないで、角膜の炎症を起こすことがあります。睡眠前に点眼薬を使用したり、眼帯で保護する場合もあります。眼球突出がひどい場合には手術もおこなわれます。目の症状が強く、進行性の場合には副腎皮質ステロイド薬、利尿薬や目の後部に対する放射線治療をおこなわれることがありますが、眼科の専門医による診察をおすすめします。複視に対しては時期によっては手術も必要となります。

2012年3月15日

内分泌・代謝異常の病気


◎甲状腺機能亢進症(バセドウ病)つづき

 外科的治療は、甲状腺の一部を手術によって切除し、甲状腺ホルモン濃度を正常化するものです。まず内科的治療で甲状腺機能を正常化してから手術を行います。大部分は術後すぐに機能が正常化しますが、再発や機能低下症も起こることがあります。一般には甲状腺の腫れが非常に大きい、副作用で抗甲状腺薬が使用できない、あるいは抗甲状腺薬が効きにくい場合には手術治療がすすめられます。

 放射線治療は放射性ヨードを服用する方法です。ヨードは甲状腺にはよく取り込まれるので、その放射線によって甲状腺組織を破壊します。服用2〜3週間ほどで甲状腺ホルモンが低下します。放射線を使用しますが、ガンや白血病などの危険はありません。多くの場合、治療は外来でおこなわれ、入院の必要はありません。ただし服用して数年してから甲状腺機能低下症に移行することがかなりの頻度であります。低下症になった場合には甲状腺ホルモンを一生服用する必要があります。

 三つの治療法は一長一短があり、病状や本人の希望、医療施設の状況などにより治療法を決定します。妊娠中の人に放射線治療はしません。

 日常生活の注意としては、甲状腺機能が亢進している間は過労やストレスを避けることです。喫煙や飲酒も勧められません。喫煙は目の症状が悪化することが報告されています。機能が正常化したら日常生活に制限はありませんが、多量のヨードは抗甲状腺薬の効果を抑えるので、こんぶなどヨードを多量に含む食物の摂取は控えるようにします。

2012年3月14日

内分泌・代謝異常の病気


◎甲状腺機能亢進症(バセドウ病)つづき

 診断は、症状と血中甲状腺ホルモンが高値であること、TSHは抑制され、血中に抗体(TRAb)が存在することで診断されます。目の症状はバセドウ病の特徴です。一般検査では肝機能が異常なことがあります。コレステロールなど血中脂質は低下します。ときに尿に糖が出ることがあり、糖尿病と間違われることもあります。

 治療では、過剰な甲状腺ホルモンの分泌をなくし、機能を正常化することが原則です。治療には内科的治療、外科的治療、放射線治療の三つがあります。
 
 内科的治療では抗甲状腺薬が使用されます。この薬剤は甲状腺に作用して甲状腺ホルモンが作られるのを阻害します。通常、薬を服用すると1〜2ヶ月で機能が正常化します。そのあと服薬量をしだいに減らし、一定量を2〜3年服用。機能が正常化すれば症状は消え、体重も増加します。

 内科的治療の欠点は、治療期間が長いことと、薬を中止したあと再発例が多いことで再発の頻度は治療期間やバセドウ病の重症度にもよって20〜50%と異なります。

 また甲状腺薬は比較的副作用の多い薬剤です。最も多い副作用は薬疹で、使用した人の数%にみられます。そのほか肝臓の機能障害や関節痛などもあります。深刻な副作用として血液中の白血球が減少する顆粒球減少症がまれにあり、この場合には感染症によって死亡することもあるので、服用中に発熱、のどの痛み、扁桃のはれなどの症状が出たら、ただちに服用をやめ検査を受けることが必要です。これら副作用は服薬を中止すれば回復しますが、薬を飲み続けると危険です。重篤な副作用のある場合は、手術や放射線など他の治療を選択します。

 なお抗甲状腺薬とともにβ遮断薬を使用して、脈拍や震えを抑えると自覚症状がかなり軽快します。多量の無機ヨードも甲状腺ホルモンも分泌を抑制する作用があるのでバセドウ病の治療に使用されることがありますが、一般的には短期間しか効かないのでバセドウクリーゼやバセドウ病の外科手術の直前など短期間に使用されます。

2012年3月12日

内分泌・代謝異常の病気


◎甲状腺機能亢進症(バセドウ病)

 代表的な甲状腺機能亢進症です。若年の女性に多く、男性の数倍の頻度で見られます。人口10万人あたり100人ほどの患者がいると推定されます。

 発症には遺伝的な素因と環境因子が関係するようです。過労、心労、外傷、出産などのストレスのあとに発症する場合が多いといわれています。

 バセドウ病は甲状腺細胞に存在するTSH受容体(TSHレセプター)に対する抗体が原因です。この自己抗体はTSH受容体と結合して甲状腺を刺激し、過剰な甲状腺ホルモンを作り機能亢進症をおこします。過剰な甲状腺ホルモンによってTSHの分泌が抑制され、血中TSH濃度は測定できないほど低くなります。

 症状の大部分は甲状腺ホルモンの過剰によるものです。体の代謝が過度に刺激されて、安静にしていても運動時と似た状態になります。熱がりで汗をかきやすく、飲水量も増えます。エネルギー消費の増加により食欲があっても、体重が減少します。交感神経が興奮状態になるため、脈拍が速くなり動悸を感じます。不整脈もよくみられ、高齢者ではむくみや呼吸困難などの心不全症状を示すこともあります。

 また手などが細かく震えるために書体などが波打ったりします。筋力が衰えて疲れやすく、階段の上り下りや立ち上がるのもつらくなります。男性ではまれに過労、飲酒の翌日に筋肉の麻痺を起こすこともあります(周期性四肢まひ)。

 消化管の運動も過剰になり、下痢をしやすくなります。精神的には落ち着きがなく、せっかちになり、感情の起伏が激しくなります。ときに精神病を思わせる症状が出現したり、重症では昏睡におちいることもあります。

 高齢者では逆に周囲に関心がなくなり無欲状態になることも見られます。

 目の症状は特徴的で、眼球の突出、上まぶたのはれ、驚いたときのように大きな目になる、眼球運動の障害のために物が二重に見える(複視)、などですが、必ずしもそうなるとは限りません。目の症状の大部分は甲状腺ホルモン過剰ではなく、眼球の後ろの組織や眼球を動かす筋肉の免疫的な炎症によるものです。多くの場合、甲状腺はびまん性にはれてきます。

 バセドウ病の症状が感染やストレスをきっかけに急激に悪化して意識障害をきたす場合があります。これはバセドウクリーゼと呼ばれる重篤な状態で致死率が高く、集中的な治療が必要になります。

2012年3月10日

内分泌・代謝異常の病気


◎ホルモンの病気の治療

○機能亢進症
 ホルモンの過剰状態である機能亢進症では、ホルモンの分泌を正常化することが必要です。これには内科的治療、外科的治療、放射線治療のいずれか、あるいはこれらを組み合わせておこなわれます。
 
 内科的治療は目的のホルモンの合成を抑制する薬剤、あるいはそのホルモンの作用を阻止する薬剤が投与される方法です。ホルモンを産生する腫瘍が原因の場合には、手術による摘出が原則ですが、一部の腫瘍では内科的治療でも腫瘍を縮小させることができます。

 放射線治療は、アイソトープで目印をつけた薬剤を投与し、目的の内分泌組織に取り込ませてホルモンを産生する組織を破壊します。放射線を外部から照射して腫瘍を破壊する方法も、視床下部や下垂体の腫瘍で用いられます。

○機能低下症
 ホルモンが不足している状態ですから、補給する必要があります。ホルモンの種類によって服用するもの、注射によるもの、点鼻薬として投与するものがあります。機能低下症は一部を除けば永続的なもので、一生にわたる治療が必要です。ホルモンも中には治療薬としては使用が困難なものもあります。

 このような場合、目的ホルモンと同様な作用をもつほかのホルモンや薬剤で代用されます。ホルモンの分泌が正常でも、ホルモンの作用が傷害されていれば、ホルモンを投与しても効果はなく、別の方法がとられます。

 機能低下症が薬剤、食品による場合は、これを使用中止するだけで回復します。

2012年3月 7日

内分泌・代謝異常の病気


◎ホルモンの働き つづき

 ホルモンは常に一定の割合で分泌されているわけではありません。必要な時期に、必要な量が、必要な期間、分泌されます。ホルモンの分泌調節はホルモンの種類によって異なります。生体の変化が内分泌組織に伝わると、ホルモンの分泌が促進されたり抑制されます。例えば血液中のグルコースが増加すると、この情報が膵臓に感知されて糖濃度を下げるインスリン分泌が増加し、逆に糖濃度が低下すると(低血糖)、インスリンの分泌は低下し、糖濃度を上げる作用のあるホルモンが分泌されます。

 また、ホルモンの種類によってはフィードバックという機構によって分泌が調整されます。例えば、甲状腺の甲状腺ホルモン分泌は下垂体の甲状腺刺激ホルモン(TSH)により、さらにTSHの分泌は視床下部ホルモンである甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TSH)により調節されます。もし血液中の甲状腺ホルモンが低下すると、それが視床下部や下垂体に伝えられます。その結果、TRH、TSHの分泌が増加して、ぞうかしたTSHは甲状腺を刺激して血液中の甲状腺ホルモンの濃度を正常に保つようにはたらきます。

 逆に、甲状腺からのホルモン供給が過剰になると、この情報も視床下部や下垂体に伝えられ、その結果TSHの分泌は低下消失し、甲状腺からのホルモン供給が低下します。このような機構をネガティブフィードバック機構と呼びます。この機構は副腎コルチゾールの産出を刺激するACTH(副腎皮質刺激ホルモン)とコルチゾールの間、下垂体ゴナドトロピン(卵巣や睾丸を刺激して性ホルモンの分泌や卵子の成熟、精子形成を刺激するホルモン)と性腺(女性の卵巣や男性の睾丸)から分泌される性ホルモンとの間でもみられるもので、血液中のホルモン濃度を一定に保つのに重要な役割を果たします。

 またフィードバック機構以外の調節機構があります。ひとつはホルモンの日内変化(日内リズム)です。ACTHの分泌、したがって副腎コルチゾールの分泌は朝方に高く、夕方に低くなるリズムがあります。恐らく中枢神経系に存在する一種の時計が、このリズムを調節していると思われます。私たちがストレスを受けた場合には、コルチゾールをはじめ多くのホルモンが分泌されますが、これは中枢神経系へ入った情報が下垂体に伝えられて分泌が増加するためです。

 成長や成熟、加齢に伴って分泌が変化するホルモンも少なくありません。下垂体ゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)分泌は、小児期ではきわめて低値ですが、思春期の少し前からしだいに分泌が増加します。これが性腺を刺激して、性ホルモンが増加し、二次成長がみられるようになります。

 女性では更年期以降は卵巣機能が低下するため女性ホルモン分泌が低下し、負のフィードバック機構によってゴナドトロピンが増加します。男性でも加齢に従って睾丸機能が低下しますが、女性ほど明確ではありません。

 また、成長ホルモンの分泌は思春期には顕著に増加します。成長が止まったのちの成人でも成長ホルモン分泌は持続するものの、加齢とともに分泌は低下します。一方で、生命の維持に不可欠な甲状腺ホルモンや副腎コルチゾールは加齢による変化はほとんどありません。

2012年3月 5日


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