◎血液の病気
○子供の貧血
原因
新生児期・・・出生時の出血、血液型不適合により溶血が起こることで、貧血になります。溶血の場合は、黄疸が強くなります。
未熟児では、生後一ヶ月ごろから貧血になりますが、成長にくらべて造血が間に合わないためです。
乳児期・・・鉄欠乏による貧血がおもです。血色素を作るのに鉄が必要ですが、赤ちゃんが母親からもらって貯蔵していた鉄は生後3〜4ヶ月でなくなってしまいます。このあとは、母乳や牛乳、米には鉄分が少なく、離乳食が遅れたり、鉄分が少ない食事を取っていると貧血状態が現れます。
特に生後八ヶ月から二歳ごろにおこりやすくなります。人工乳では、鉄分が補充されていますが、この期間のミルクとして特に鉄分を強化したフォローアップミルクも発売されています。
また、乳児期には、感染を繰り返していると貧血になります。
幼児、学童・・・鉄分やタンパク質摂取の少ない子に貧血が見られます。また、思春期前後な女子に鉄分不足によるひどい貧血がおこることがあります。腎臓病などの慢性疾患、慢性的な感染症や白血病や再生不良性貧血などの血液の病気で重い貧血がおこります。
症状
顔色が青白く、結膜、口の粘膜、爪などの色も白っぽくなります。乳児期では、機嫌が悪く食欲がない、元気に遊ばず疲れてゴロゴロしている、体重が増えないなどの症状があらわれます。年長児では、疲れやすく、軽い運動でも動悸や息切れ、めまいがしたりします。
治療
血液検査で、鉄欠乏性貧血と診断された場合には鉄剤をのみます。子供用のシロップもあり、年長児は錠剤になります。
鉄剤を飲み始めて1〜2ヶ月で貧血は良くなりますが、その後も1〜2ヶ月はもみ続けて、鉄分の貯蔵を増やしておきます。レバーや肉、卵、大豆、緑黄色野菜などの鉄分が多い食物やタンパク質、ビタミン類を十分とるようにすることも大切です。
鉄欠乏性貧血以外や、鉄剤を飲んでも改善しない場合は、詳しい検査が必要になります。