宴会の前に胃薬を飲んでも、十分な予防にはならない。
市販の胃薬は500種類以上、世界でもこんなに胃薬好きなのは日本人だけらしい。胃の粘膜保護を行っている胃薬も増え、酒を飲む前に飲んで予防しようというのもありますが、どうなんでしょうか?
濃いアルコールを飲むと、胃酸から胃を守っている粘膜の分泌が妨げられ、バリア機能がなくなるため出血します。胃壁保護剤を飲めば大丈夫なのか、ウイスキーを飲んで胃カメラで観察したところ、確かに胃薬が胃壁に付着していますが、出血も見られるとのこと。胃薬を飲んだからといって大丈夫と過信して酒を飲みすぎると、かえって危険なのです。出血を繰り返すようだと、胃炎を経て胃がんになる可能性もあるのです。
総合胃腸薬に効果にも、大きな矛盾があります。胃もたれは、胃酸が少ないために食べ物が消化しきれずにおき、逆に胃酸が多いと逆流して食道を痛め、胸焼けになることが多いようです。
ところが、効果を見ると胃酸の分泌を抑えると胃酸の分泌を促進するが両方書いてあるのです。アルカリで胃酸を中和しておさえても、時間がたてば今度は胃酸が多く分泌されるのです。とは言うものの、総合胃腸薬で5〜6割は胃の調子がよくなるという調査結果もあります。自分の症状をよく見て選ぶようにしましょう。
胃壁保護といっても、ばんそうこう程度に考えるのが無難。どちらにしても、飲みすぎには注意しましょう。