どんな病気か?
成長期の子どもではペルテス病のように骨端が壊死する病気が知られていますが、成人にも股関節の大腿骨の骨頭が壊死におちいる病気が少し増えてきました。原因がまったくわからないことから、特発性骨壊死と呼ばれています。
この病気は、他の病気の治療のために副腎皮質ホルモン剤を大量にもちいた人によくみられるもので、たとえば膠原病である全身性エリテマトーデスとか腎臓移植で大量に副腎皮質ホルモン剤を使用した人が、治療して社会復帰するころになって、特発性骨壊死が現れます。
また、アルコールの愛好家にも多く、副腎皮質ホルモン剤やアルコールとの因果関係が推定されていますが、はっきりとしていません。
大腿骨頭に壊死が起こると、死んだ骨の周りには繊維組織ができ、球形だった骨頭は次第につぶれて関節の面が合わなくなります。
その結果、股関節はゆるんで体重を支えることができず、痛みが増してきます。
治療
どうしても、手術が必要になります。
体重がかかる大腿骨頭の面を変えて、現在の程度以上につぶれないようにしたり、破壊された部分に支持骨柱を移植して骨頭が臼蓋にぴったりはまるようにします。
骨頭の破壊がひどければ、人工骨頭などを用いる意外によい方法がありません。