出血性素因をもつ人はまれ
出血性素因をもたらす病気は、いろいろあります。
血管に異常があって出血性素因をもたらす病気としてはアナフィラクトイド紫斑病(アレルギー性紫斑病)、血小板機能異常症が、凝固因子の異常では血友病、血友病Bがそれぞれ代表的な病気です。
また、播種性血管内凝固症候群、フォン、ウィレブランド病のように血小板と凝固因子の双方に異常がある出血性素因もあります。
しかし、これらはいずれもまれな病気です。皮膚に紫斑(あざ)ができやすい、鼻出血や歯肉出血を起こしやすい、抜歯するとなかなか出血が止まらない、月経の出血量が多いといったことから、自分は出血性素因を持っているのではないかと考えている人は多いのですが、大部分の人は異常ではありません。
たとへ軽症でも出血性素因があると、不要に大きな手術をしてしまったり、交通事故にあったりすると健康な人よりも止血が困難で、出血量が多くなって危険だからです。