検査と診断
血液の血沈の亢進、血清総タンパク量の上昇、A/G比の低下が見られ、肝機能検査項目のうち硫酸亜鉛試験やチモール混濁試験などの血清膠質反応の上昇がみられます。これらは、血液中の血清ガンマグロブリン値が上昇しているときに見られる所見です。
血液中の甲状腺自己抗体を調べる検査では、抗サイログロブリン抗体と抗マイクロゾーム抗体が、多くの場合陽性に出ます。特に抗サイログロブリン抗体が、かなり高値を示すことが多いものです。
甲状腺の機能を調べると、約4分の3の人は正常で、機能低下を示す人は約2割です。また、頻度は低いのですが、機能の亢進を示す人もいます。甲状腺の機能低下を示す場合は、血液中のトリヨードサイロニン(T3)、サイロキシン(T4)といった甲状腺ホルモン、T3レジン摂取率、基礎代謝率、甲状腺放射性ヨード摂取率がそれぞれ低下し、血液中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)やコレステロール値が上昇しています。
そのほか、貧血や、胸部X線での心陰影の拡大、心電図検査での低電位差が見られる場合もあります。
甲状腺の組織を微量採取した生検、リンパ球の浸潤、リンパ濾胞の形成、間質の繊維化、甲状腺濾胞上皮細胞の変性と濾胞の崩壊といった特有の変化が見られるので、生検はこの病気の診断にかかせません。