急性心筋梗塞の症状は、普通は前胸部またはみぞおちに激しい痛みを感じ、同時に脱力感、冷や汗、吐き気、嘔吐、めまい、呼吸困難を自覚しますが、糖尿病患者の心筋梗塞では、胸痛を感じないことがあります。こらは神経障害のために痛みが伝わりにくいからだと考えられています。その代わり、腕、腹、背、くび、あごに痛みを感じることがあります。
糖尿病患者におこる心筋梗塞は、最初の発作で死亡することが多く、もし一回目の発作で死を免れたとしても、二回目の発作に襲われると、余命は90パーセントまでが5年以内といわれています。心電図で心筋梗塞を起こす危険が予測される糖尿病患者は、血糖の正常化、肥満の是正、高血圧の管理に細心の注意を払わなければなりません。