◎ホルモンとは つづき
●ホルモンが働くしくみ
これらのホルモンは、それぞれに働きかける組織が決まっています。
内分泌腺から分泌されたホルモンは、血液中に入って全身をめぐるうちに、それぞれ目標とする組織に到達しますが、組織を構成している細胞には、ホルモンを受け入れる構造があって、これにホルモンが結合することによってホルモンの働きが発揮できるしくみになっています。
ホルモンと結合するのは、細胞の膜や細胞質に存在する結合タンパクで、レセプター(受容体)と呼ばれています。
血液中に含まれるホルモンの場合は、多くは血液1デシリットル中に、マイクログラム(1マイクログラムは千分の1mmグラム)やナノグラム(1ナノグラムは百万分の1ミリグラム)といった単位のきわめて微量な量です。
血液中のこの微量な量のホルモンが減少すると、脳にある視床下部がこれを感知し、下垂体を介してそれぞれの内分泌腺へ指令を伝えて必要なホルモンを分泌させるしくみになっています。血液中に十分な量のホルモンが存在しているときは、ほとんどホルモンは分泌されません。
私たちの脳には、マイクログラムやナノグラムといったきわめて微量な単位の変化にも感応する高感度のセンサーがそなわっているのです。