○手当ての実際
まず、けが人の意識(会話ができるか)や呼吸の状態、脈の有無(手や首、またの脈)、顔色を見ます。呼吸がないときは人工呼吸を、脈がないときは心臓マッサージをします。
意識がないときは血がしみている衣服を、意識があるときはそのほかに痛い場所の衣服を、急いで開いたり破いたりします。大量に出血しているときは、きれいなタオルかハンカチを何枚か重ねて傷に当て、手または指で強く押し付け止血をします。ほとんどの場合、強く押えると血は止まります。押さえても出血するようなら、もう一度出血している場所を確認してから押えるか、もっと強く押し付けます。または間接止血法をおこないます。
さらに、意識や呼吸や脈があっても、また出血がなくても、顔色が悪い場合、内臓や脳に出血していることもあります。
骨盤や、大腿骨の骨折、内蔵が損傷していると、体内に大量の出血を起こします。脳の損傷でも徐々に意識がなくなったり、もうろうとしたりします。傷や出血がなくても安心せず、顔色や脈、呼吸、意識の状態を繰り返し見るようにします。
全身状態がなければ、傷の手当に専念します。