◎足関節靭帯損傷(捻挫)
足関節の捻挫は日常よくおこりやすい外傷で、階段や段差などで足首をくじいた場合に起こります。最も多いタイプは足関節を強く内返(内反)したために外くるぶし(外果)付近の靭帯の損傷を生じるタイプ(足関節外側靭帯損傷)で、足関節部の捻挫の八割以上がこのタイプです。外果の周囲には三本のおもな靭帯がありますが、内反捻挫で最も多いのは外くるぶしから斜め下にはしる前距ひ靭帯の損傷です。
足関節を強くひねったあとで強い痛みが生じた場合には、まず捻挫を疑います。足関節は骨折のおこりやすい場所でもありますが、痛みのある場所を丁寧に探せば、たいていの場合靭帯の損傷と骨折を区別することが可能です。ただし捻挫と症状が良く似た骨折もありますので、そういった場合にはレントゲン検査が必要でしょう。
足関節の捻挫ははじめの治療が不適切であったり、捻挫を繰り返している場合、関節が慢性的に不安定な状態となることがあります。このような状態になると、足関節の関節軟骨が徐々に傷ついて、長期的に足関節の痛みや動きの制限が生じる可能性があります。このためこのような場合には手術で靭帯の再建をすることがあります。
治療としては、怪我をした直後は足関節を動かないように固定し、患部を冷却するとともに圧迫を加えて腫れがなるべく起こらないようにします。患部を心臓より高い位置に保っておけば腫れを予防するうえでさらに効果的です。