○1型糖尿病 つづき
1型糖尿病の臨床的な特徴は25歳以下の発症(若年発症)が多く、肥満でないことが少なくありません。発症は急激な場合が多く、口渇、多尿、多飲、体重減少など典型的な症状があらわれ、治療が遅れると著しい高血糖とケトン体の上昇のため糖尿病性ケトアシドーシスという危険な状態におちいることもまれではありません。このタイプは、2型にくらべると遺伝傾向が少ないことも特徴です。
1型糖尿病の発症の誘因として、ウイルス感染も想定されており、実際にインフルエンザ、風疹、流行性耳下腺炎などのウイルス感染が先行する場合もみられます。
成因的には1型糖尿病と考えられる症例でも必ずしも急激な経過を取らず、発症当初は症状も乏しく、食事療法や経口糖尿病薬で治療を受けている場合があります。このようなタイプは緩徐進行型の1型糖尿病と呼ばれています。また、きわめて急激に発病し、自己免疫が関与しないタイプとして劇症1型という亜型が提唱され、注目されています。