腰部と頸部では症状が違う
症状
ヘルニアのおこった部位によって症状は違います。また、脱出のおおきさと症状の強さは必ずしも比例せず、ヘルニアの程度は軽くても症状が強いこともあれば、その逆もあります。
腰椎の椎間板ヘルニア
重い荷を持ったり、腰をひねったりしたときに突然激しい腰痛が起こる、いわゆるぎっくり腰のかたちで発症することがあります。このときは激しい痛みで動けなくなりますが、たいてい2〜3週間でよくなり、その後慢性化します。
また、いつとはなしに、鈍い腰痛や手足のしびれ感や、しばらくするとその症状は消えるのですが、なたいつとはなしに再発するといったことを繰り返す慢性のかたちで始まることもあります。
急性の場合であれ慢性の場合であれ、腰椎におこった椎間板ヘルニアでは、多くは腰痛のほかに、左右どちらか片側のお尻から大腿部の後ろ側、下腿の外側、さらにつま先まで激しい痛みがはしる坐骨神経痛の症状をともないます。
ヘルニアによる坐骨神経痛の特徴は、せきやくしゃみ、あるいは排便時に力んだりするだけでも痛みが強くなることで、これをデンジェラ症候ということもあります。
顔尾を洗うときに前かがみになったり、中腰など、腰を丸めた姿勢でも痛みが増し、背中をまっすぐに伸ばしたり、寝た姿勢で安静にしていると、痛みは軽くなります。
さらに、痛みの他にしびれや脱力感、知覚障害が見られ、物につまづきやすくなったりします。腱反射(腱を打つと筋肉が収縮する反射。膝頭を軽くたたくと、反射的に足が跳ね上がることでしらべます)が鈍くなったり、筋肉の萎縮や筋力の低下が現れることもあります。