どんな病気か
正中神経が、手のひら側の手首のところで絞扼されるためにしびれ感などの神経まひ症状が手指におこるもので、神経絞扼症候群の中の代表的な病気です。
正中神経は、手関節の手のひら側の中央で、横手根靭帯という硬い靭帯の下をくぐって指のほうへ伸びています。この正中神経が、横手根靭帯によって圧迫されるために、それより先の神経が麻痺して、指のしびれなどがおこるのです。
手根管症候群は、女10対男1と女性に多い病気で、特に中年女性に多く、妊娠、出産がきっかけで発症することもあります。
症状
最初は親指から薬指までの一部にしびれ感、ぴりぴりするなどの知覚異常が現れます。特に物を強く握るときなどに知覚異常が強くなり、夜間にしびれがひどくて眠れないこともあります。
さらに進行すると、親指の付け根の筋肉が萎縮してふくらみがなくなり、親指と、小指を使って物を挟むことができなくなります。この筋肉の萎縮は見逃しやすいのですが、健康なほうの手と比べるとよくわかります。