どんな病気か
腱は、筋肉と骨とをつないでいる組織で、俗に筋とも呼ばれています。この腱は、外側が腱鞘という組織で包まれていますが、この腱と腱鞘に炎症が起こるのが腱鞘炎です。
最も頻度が高いのは、腱鞘のなかが狭くなる為に腱のすべりが悪くなって摩擦が起こる狭窄性腱鞘炎で、手関節の親指側部に良く起こります。
手の指が曲がって伸びなくなり、無理に伸ばすとポキッという弾発音がしてはじかれたように伸びるのを、ばね指といいますが、やはり腱鞘の中が狭くなって、腱のすべりが悪くなる為におこるもので、腱鞘炎の一種です。このばね指の頻度が高いもので、すじがつまったと表現する人もいます。
腱鞘炎は、関節の使いすぎなどの機械的なストレスが、腱と腱鞘に頻繁に加わる結果、炎症が起こると考えれていて、腱と腱鞘を動かしたときに痛むことが多いのですが、必ずしも手指を良く使う人に発症しやすいというわけではありません。重労働者に従事する人には意外と少なく、女性に多いという傾向があることから、腱鞘炎を起こしやすい体質があるのではないかとも考えられています。