原因
体のそれぞれの器官は、年齢を重ねるごとにしこしずつ変化していきます。その
なかでも、重い上体を支えながら前後左右に曲げ伸ばし運動をおこなう脊椎は、関
節と並んで、加齢による変化が比較的強く現れやすい部位です。
頚椎の加齢変化がすすむと、椎間板が圧迫され、脊椎のふちに骨棘が形成されま
す。神経根症状が起こるのは椎間板が薄くなる為に神経の出口である椎間孔が狭く
なり、そこを通る方や腕へ行く神経根が圧迫されたり、骨棘が直接神経根をあっぱ
くするからです。
脊椎の後方中央に骨棘や圧迫された椎間板のでっぱりがあれば、頸髄の前方が圧
迫されて脊髄症状が出現します。このとき脊柱管が狭くなっていると、なかの頸髄
が締め付けられ、さらに強い脊髄症状がでることになります。
検査と診断
X線写真で、頚椎に椎間板の圧縮や骨棘が認められれば、ほぼ確実に頸部変形性
脊椎症と診断されますが、さらに椎間板の変性による神経根の圧迫を確認する為に
、ジャクソンテスト、スパークリングテストなどがおこなわれます。他にも詳しい
神経学的な検査で、神経症状の有無やその程度を調べます。
脊髄症状で歩行障害が出ているような高度に進行したものは、脊髄造影、CTスキャ
ン、MRIなどの精密な検査により、脊髄症状を起こしている原因や部位を正確に突
き止める必要があります。