合併症
甲状腺機能亢進状態が続いているときに、合併症が起こることがあります。
○バセドウクリーゼ(甲状腺発症)
バセドウ病の症状が突然悪化するとともに、発熱、悪心、嘔吐、不安、不眠などがおこり、興奮状態におちいることがあります。さらに、意識障害を起こして志望することもあります。このような状態をバセドウクリーゼ(甲状腺発症)といいます。
甲状腺その他の手術後に起こる場合(外科的発症)と、ストレス、感染症、糖尿病性ケトアシドーシス、副腎不全、妊娠・分娩などにともなってこる場合(内科的発症)とがありますが、手術前後の処置がしっかり行われている現在では、外科的発症はほとんどありません。
治療は、抗甲状腺薬や無機ヨード薬の使用といった、甲状腺機能亢進症そのものの治療のほかに、頻脈や冠状動脈不全があれば強心薬や冠拡張薬の使用、脱水症状があれば輸液、最近などの感染があれば抗生物質の投与、ストレスやショックがあれば副腎皮質ホルモン薬のしよう、血圧の上昇があれば交感神経遮断約の使用といった治療が行われます。