■糖尿病性網膜症
目の網膜に酸素や栄養を送っている毛細血管の病変です。普通糖尿病になってから、5〜10年を経過した頃から起こってきますが、糖尿病が軽症だったり、治療をきちんとしていれば、おこりにくいものです。
初めは、眼底検査で網膜の毛細血管の一部が膨らんでくる血管瘤の形で発見されます。この時期に糖尿病の治療に専心すれば、まだ治る可能性があります。しかしそのままにしていると、血管瘤が破れて出血したり、血液の流れがとだえて網膜の栄養が不良となり、段々治りにくくなってきます。血流のとだえた毛細血管の側壁からも血液がにじみ出てきます。出血の一部は吸収されますが、残りは変化して白いしみとなり、網膜は出血としみによる白斑とで綾模様を呈します。栄養のとだえた箇所に血液を送るために新しい毛細血管が自然に開通してきますが、急に作られた血管はもろく、すぐに破れて更に出血が増します。