「学習」という字があります。
★「学ぶ」の語源は「まねる」ことからきており、その「まねる」が「まなぶ」となり、「学ぶ」になったのです。
★「習」は「羽と自」とを組み合わせてできています。
それは雛鳥が自らの力で何度も何度も、くり返しくり返し、羽を羽ばたいて飛ぶ練習をするありさまを示しているのです。
私たちは嬉しいこと、楽しいことがあれば自然に笑顔になり、笑いも多くなります。しかし、とくに楽しくなくても、笑うことによって楽しくなるという面もあります。
気分がむしゃくしゃする時でも、「楽しい真似」をして、馬鹿になったつもりで大きな声で、
「ワッハハハハ・・・・」「ウァハハハハ・・・・」
と笑い続ければ、いつの間にか心が弾んで楽しくなるはずです。少なくとも笑っている最中は、憂うつな気分はないはずです。
このことから幸せになるためには、「幸せそうな顔」「楽しそうな顔」をくりかえしくり返し真似るといいのです。
このことは学問的にも裏付けがあります。
★「脳は表情筋が意味する通りの興奮状態なる」ということをクラーク大学のジェームズ・レイアード博士が実験で証明しました。
怒り顔をつくると「怒りの念」が、笑顔をつくると「幸福感」になるということが学問的に確認されました。
★カリフォルニア大学でも同様の実験を行いました。
「笑顔モード」にすると、楽しくなり幸福を感じ、「悲しみモード」にすると、暗い気分になり悲しくなることを「フェイシャル・フィードバック」と名付けました。
★米エール大学のシュワルツ博士は次のような実験を行いました。
被験者に何も考えないよう告げてから、つくり笑いをしてもらいます。すると、顔の表情筋がゆるみ、緊張がほぐれた反応が表れました。実験は、おもしろくもおかしくもないのに、つくり笑いをするだけで、リラックス効果が生じたのです。
表情筋は脳からの指令で動きます。それとは逆に表情筋の動きが、また脳にフィードバックされます。ですから表情筋がゆるむと、脳は「明るいことを考えた」と感知します。そして、本当に気持ちが明るくなります。
4回のオリンピックで通算9個の金メダルを獲得したアスリート、カール・ルイスを覚えておられるでしょうか。
彼は100メートル競走のゴール20メートル手前で、ニコッと「つくり笑い」をします。本人によると「ゴール手前20メートルあたりで意識的にニコッとすると、過度な緊張や力みが取れてさらにパワーアップする」とのことです。これもバイオフィードバックを上手に取り入れた好例といえます。