■あごの外傷
●上顎骨骨折の場合
上顎骨だけを骨折することはあまりなく、たいていは下顎骨や頬骨、鼻の骨など、しゅうへんの骨折にともなっておこります。したがって、上顎骨骨折そのものに対しては、下顎骨の場合と同じ様に顎間固定を行いますが、同時に、しゅうへんの顔面骨骨折に対する手術も必要になります。
顎間固定は、骨折部の急性炎症が治まる時期、すなわち受傷後10日以内、遅くとも2週間以内に行います。頭部外傷などを合併している場合は、どうしても顔面の治療が遅れがちですが、顎骨を含む顔面の骨折は、治療が遅れると後が面倒になります。