■あごの外傷
●上顎骨骨折の場合 つづき
特に、骨折部や歯のかみ合わせを整復しないうちに骨が癒着してしまった場合、咀嚼が十分にできない、口の開閉がうまくできない、はっきり発音できない、などのさまざまな障害や顔に変形などが生じます。そのため、手術でもう一度人工的に骨折を起こし、整復しなおすことになりかねません。
上顎骨を含む顔面骨折の治療は、まず救命が第一の目的ですが、同時に、目、鼻、口の各種機能を元通りに回復させること、および顔の変形を修復することも重要です。そのため、脳神経外科、整形外科、口腔外科などそれぞれの専門医が協力して治療に当たることが大切です。したがって、顔面骨折をしたら、救急設備があって、しかも各科のそろっている大きな病院へ行くことが大切です。