◎救急医療のしくみ
日本の救急医療の整備は、1964年に厚生省の救急病院等を定める省令により救急病院、診察所が告示されることから着手されました。この背景には交通事故による死亡者、負傷者が急増し、いわゆる(たらいまわし)が社会問題化したことがありました。
いっぽう、高齢化社会にともなう疾病構造の変化に対応するため、1977年から厚生省により初期救急医療施設から第二次、第三次救急医療施設へ流れる救急医療システムが構築されました。もっとも重症の患者さんは第三次救急医療設備で対応します。
しかしプレホスピタルケア(病院に到着する前の救急医療体制)の遅れから、欧米社会と比べ日本の心肺停止患者の救命率が低いことが問題となり、1992年に救急救命士が誕生し、病院前救護体制の整備が図られています。
救急救命士は医療従事者の一員として、さまざまな観察・処置を行っており、救命率向上に寄与しています。