胸の痛みは、胸のまわりの筋肉や神経、胸の中の心臓や肺、胸膜などの病気でおこります。大血管や食道の病気でなることもあります。女性の場合は乳腺に関する病気でなることもあります。一般に短時間によくなるものは病気ではなく、原因のはっきりしない筋肉痛のようなものであることが少なくありません。
腕を動かしたり、背骨を曲げたり、回したりするときに痛む胸の筋肉の痛みや、背骨の病気(変形性脊椎症、脊髄腫瘍、椎体圧迫骨折など)があります。
重いものを持ったり、急いで歩くとき、数分間、胸の真ん中から左のほうが圧迫されるように痛くなるのは狭心症です。
かぜやインフルエンザでせき、たんが長く続くと、誰でも胸の前や奥が痛みます。
いきんだり、せきをしたりしたとたんに起こり息苦しくなる自然気胸、胸が締め付けられるような狭心症、奥深く激しく不安感を伴う急性心筋梗塞や、高血圧のある解離性大動脈瘤、そのほか不整脈、心臓神経症、心膜炎などがあります。
動作や呼吸で痛みが強くなり、圧迫やたたくと痛むときは肋骨骨折や脊椎圧迫骨折があります。特に動作と関係なく、胸の表面か痛くなる場合、肋間神経痛、後に水泡のできる帯状疱疹、乳房に炎症をきたす乳腺炎、乳腺症などがありますが、これは外からみてすぐにわかります。ちくちくする痛みや、痛む部位が一致していない心臓神経症があります。
そのほか腹の病気でも、胸やけなどで胸に痛みを感じることがあります。