背中が痛む原因には二つの場合が考えられます。
◎姿勢の異常から
背中が丸くなって鈍痛が起こる病気には、変形性脊椎症があります。背骨の老化による変形が原因です。
姿勢の異常の中には、脊柱が左右いずれかに曲がっているものがあり、脊柱側わん症といいます。原因はさまざまですが、特発性脊柱側わん症といって、S字状に曲がっていることが有ります。少女に多く、片方の肩が下がっているとか、片側の背や胸が出っ張っていることで気づかれます。
椎間板の一部が椎体のなかにめり込んだものをシュモール結節といい、ときに突発的に胸が締め付けられて狭心症と間違われることがあります。
脊椎過敏症は、上部胸椎を一つか二つたつたたくと疼痛がありますが、全身にわたってはおかされず、背中がつっぱって曲がりにくいことはありません。若い女性に多く見られる疾患です。
脊椎の圧迫骨折は、高所から墜落して尻餅をついたときによくおこります。背中の胸椎の突起をたたくと激痛が走ります。特に高齢で骨粗しょう症の人でおこりやすくなります。
背中から肋骨に沿った痛みを肋間神経痛といいます。通常は片側におこるという特徴があります。
◎神経痛、関連痛の場合
帯状疱疹は、肋間神経に沿って水泡を伴う発疹と神経痛を起こします。
通常これも片側に起きますが、皮膚の水泡が治ったあとも長期に強い痛みが残ることがあります。そのほか関連痛といって、心臓、肺、腎臓、肝臓、胆のう、胃腸疾患があると、背中が知覚過敏になることがあります。急性や慢性膵炎では腹痛より背中の痛みが主となる場合があります。
また、腎盂腎炎も女性に多い病気で、尿の回数が多く排尿時異常感を感じる膀胱炎の症状に加え、発熱と片側の背中の痛みが出現します。背中をたたくと痛いのが特徴です。
肋骨にひびや骨折が起きた場合もよく背中に痛みが走ります。