◎見えにくい
視力が落ちる場合と視野が狭くなる場合とがあります。視力が落ちる場合、最も多いのは、近視、遠視、乱視、老眼です。いずれも目の水晶体の調節作用が弾性的におこなわれなくなったためにおこるもので眼鏡によって調節します。
白内障は、高齢者に多く、糖尿病性、目の外傷後、生まれつきのものもあります。瞳の奥(水晶体)が白くにごって見えます。緑内障は瞳の奥が青く見えるもので、だんだん視力が落ちることが多いのが特徴です。角膜ヘルペス実質型、ぶどう膜炎のほか、ビタミンの欠乏によって起こるものがあります。
ビタミンAが欠乏すると、とりめ(夜盲)がおこり、夜間や暗いところで物が見えなくなります。ビタミンB1の欠乏に視神経炎が有り、明るいところではまぶしく、見ようと思うところに影ができます。ビタミンB2の欠乏によるびまん性表層角膜症では、くろめに薄い濁りが無数にでき涙が出ます。
目のぶどう膜と網膜に炎症を起こす膠原病の一つにベーチェット病があります。視力の落ちる網膜の病気としては、硝子体出血、中心性しょう液性網脈絡膜症、網膜はく離などです。いずれも全身の重大な病気と考えるべきです。視神経萎縮でも視力が落ち、脳腫瘍の場合には視野の欠損が起こります。
◎色の区別がつきにくい
遺伝的に色の区別がつきにくい色覚異常(色盲)があります。前色盲はまれで、日本人は、赤系緑系の識別に少々困難を感ずる赤緑色弱が多いのが特徴です。