◎知覚麻痺
知覚が全くないもの、多少悪いもの、触っただけなのにいたいと感じるようなもの、さわりもしないのに皮膚がピリピリしびれた感じになるものなど、さまざまな知覚麻痺があります。
知覚麻痺は手足の先のほうに起こることもあり、片側のことも両側のこともあります。
脊髄の病気で、下半身が全く麻痺することがあります。脊髄ろう、髄膜炎、脊髄腫瘍、脊髄外傷、脊椎外傷などがそれです。脊髄空洞症では、左右非対称の筋萎縮や温度覚のみの障害(触覚や深部感覚は保たれている)、排尿障害、下肢のつっぱりなどがみられます。
脳の病気として脳卒中、脳炎、脳腫瘍、末梢神経の病気として多発神経炎で知覚麻痺を起こします。
◎まひ以外の筋力低下
脳神経の病気以外の多発性筋炎や進行性筋ジストロフィーなどの筋肉の病気や、重症筋無力症や肺がんの一部で見られる神経と筋の間の情報伝達の障害を起こす病気でも、筋力の低下がしばしば見られます。
多発性筋炎では、左右非対称に全身各所の筋が痛くなったり、弱くなったり、筋萎縮が起こり、発熱や倦怠感がみられます。
進行性筋ジストロフィーは遺伝性、進行性の筋肉の病気で、子供に多いですが、必ずしも子供だけの病気ではありません。おもな症状として、筋萎縮、筋力低下(脱力)、腱反射の衰弱・消失などが見られます。
重症筋無力症は、朝方に比べ夕方に筋力低下が悪化するのが特徴です。周期性四肢まひは飲酒や糖分を多くとったあと、夜中や早朝に急に上下肢ともに筋力の低下をきたすものです。この筋力の低下は数時間から数日で回復するのが特徴です。
テタニーは、一つの病気というよりは、ひとつの病的な状態で、血中のカルシウムが低下したときに起こります。精神的不安感がおこり、手足がしびれ、そのうち手足がかたくなってけいれんします。