筋力低下や感覚の異常を起こす病気は、脳神経や筋の病気によることが多く、急に起こるものと、気がつかないうちにだんだんおこるものとがあります。
脳卒中などの血管障害は、脳・神経系の病気のなかで最も急に始まるものです。比較的急なものとしては、脳炎、髄膜炎などの急性の感染症・炎症の場合があります。ゆっくり始まる代表的なものは変形性疾患で、パーキンソン症候群などがあります。症状に波のある場合としては、血管障害の再発の繰り返しや脱髄疾患がその代表です。
◎運動まひ
手足が完全にきかない、”完全麻痺”と、少しは聞くが十分ではない”不完全まひ”があります。また、つっぱっている”強直性まひ”と、だらりとしている”弛緩性まひ”とがあります。片方の手か足だけ麻痺してる場合、片方の手も足もすべてまひしている場合(片まひ)、両方の手、あるいは両方の足だけが麻痺している場合など、組み合わせは多様です。
脳の病気で麻痺を起こすのは、高齢者では脳出血、脳梗塞(脳なんか)が多く、若い人では心臓弁膜症などの心臓病のある場合、心臓から血栓が流されて脳の動脈に引っかかり、脳塞栓となって片まひを起こすことがあります。
脊髄の病気としてはポリオ、脊髄症、、脱髄疾患(多発性硬化症など)、髄膜炎、脊髄腫瘍、脊髄外傷、筋萎縮性側索硬化症などでまひが起こります。変形性頸椎症は骨粗しょう症の進んだ高齢者には多い病気です。