◎皮脂欠乏性皮膚炎
皮膚の脂肪分泌や発汗が低下した高齢者の下肢、腕などに、冬になると起こってくる湿疹です。皮膚が乾燥してかさかさしているところは衣類などの刺激でできてくると考えられています。
乾燥した皮膚の一部が赤くなって、浅いきれつがみられます。貨幣状湿疹が出てくることもあります。春になると自然に良くなってしまいます。
◎脂漏性湿疹
えんどう豆大からソラマメ大の、わりあい境界がはっきりした紅色発疹で、黄色みを帯びるとともに、表面はこなを降りかけたようになります。
かゆみがありますが、それほど強くはありません、脂漏部位といって、顔面、頭、わきの下、外陰部などの脂肪が多量に分泌される部位にできる湿疹です。
原因は、脂漏性(脂肪分泌量の多い)体質のうえに、でんぷう菌というカビの一種が増えるためといわれています。
幼時にもこれが起こりますが、2〜3ヶ月目に全身に広がって、皮膚が赤くなり、おおきな葉状の落屑(皮膚の表層が大小の角質片となってはげ落ちること)をみることがあります。
治療では、脂肪分の多いものをとることをやめて、便通をよくします。外用薬として、副腎皮質ステロイド軟こうや抗真菌(カビ)薬の軟膏が効果があります。