◎動脈硬化症 つづき
治療では長年かかって出来上がった動脈硬化を治すのは、なかなかうまく治りにくいですが、その病気の型によっては、治療の結果ある程度良くなりやすいものもありますし、また進行するのを予防する可能性があります。
一般的には、生活を規則正しく、仕事をしたあとは適度な休養を取って、疲労が残らないようにします。徹夜、暴飲暴食などは控えなければいけません。
すでに動脈硬化が進んでいるときは、その程度によって、十分な休養が必要ですが、心臓や脳の動脈硬化によって、心筋梗塞を起こした後や、脳梗塞を起こした後、また足の動脈硬化で歩くと痛むという場合を除いては、定期的な運動も必要です。
次に、食物は、体重が増えない量に制限することが一番大切です。
ふつう動物性脂肪を制限しますが、タンパク質のおおい肉は適度にとります。比較的若くて動脈硬化のおこった人では、脂質、特に豚肉や牛肉の脂肪、バターなどは禁止です。
卵や牛乳もむやみに食べてはいけません。太った人の中には、早くから動脈硬化がおこる人がありますから、食事全体を減らして、腹八分目にとどめなければいけません。
タバコは禁止し、酒は少量ならいいでしょう。糖尿病、高血圧、痛風などのある人はその治療ももちろん大切です。
動脈硬化の薬物療法としては、コレステロールを低下させる薬剤が最も重要です。特に、すでに心筋梗塞などを発症しており、その再発を防止する必要のある人には、コレステロール低下薬はかなり効果があります。