◎静脈瘤
静脈の病気として最も多いのは静脈瘤で、足の表面にある静脈が、妊娠などをきっかけとして、心臓への血液の還流がさまたげられるために広がり、うねるようになり、特に立った姿勢で目立ちます。自覚症状がなければ放置されますが、長く立ち仕事をしたり圧迫すると血液が停滞して痛み、靴下を通してもはれて色の変わっているのがわかり、美容上問題になります。炎症を繰り返し、一部閉塞も生じて、ひどくなると皮膚が潰瘍になります。
軽い場合は、安静にして足を心臓より高い位置にしたり、弾性靴下などを用いて圧迫するなど、静脈の還流をうながすことが重要です。苦痛を伴う場合は、外科的に広がった静脈を取り除く手術がおこなわれ、最近では日帰り手術も多くなっています。
静脈内に薬剤を注入して、コブをつぶす治療法(静脈硬化療法)もおこなわれます。
◎閉塞性静脈炎(血栓性静脈炎)
静脈が炎症を起こして閉塞してしまう病気です。手術や外傷のあと静脈がつまったり、悪性腫瘍や糖尿病、心臓病、妊娠などのときに合併してあわらわれることが多く、足に多く見られます。静脈炎がおこった側の足が急にはれ、静脈に沿って熱をもち、痛みます。静脈注射に対する反応としておこることもあり、特異体質の人におこりやすいものです。
予防することが第一で、その方法は足をよく動かすことです。一度できると、血栓を溶かす薬が使われますが、慢性化すると効果が落ちてきます。感染が起これば個性物質も必要になりますし、血栓性静脈炎から肺梗塞も起こってくることがあります。
上下の大動脈が炎症や腫瘍のために閉塞されると、上半身または下半身の血流が傷害され、障害のある半身に浮腫が起こり、生命にかかわる重大な病気になります。