副甲状腺は甲状腺のうしろ側に接する四つの内分泌組織です。PTHは骨にはたらいて骨吸収を促進し、骨から血液中にカルシウムを供給する役割があります。また腎臓に作用してカルシウムの再吸収をうながす、あるいはビタミンDを活性化する作用があり、これらによりPTHは血液中のカルシウム濃度を上げるようにはたらきます。
もし血液中のカルシウムが低下すると、カルシウムセンサーと呼ばれる分子によって感知されて副甲状腺からのPTH分泌が増加し、逆に血液中のカルシウム濃度が正常以上に上昇するとPTH分泌が抑制されます。このようにして血液中のカルシウム濃度が一定の範囲に保たれています。カルシウムの調整でもう一つ重要なホルモンはビタミンDです。ビタミンDは食物から摂取されるか、あるいは紫外線によって皮膚で作られます。その後、肝臓、ついで腎臓で変化して最終的に活性型ビタミンDとなります。活性型ビタミンDは消化管からカルシウム吸収を促進し、骨形成にはたらきます。