◎こころ、神経の病気 つづき
○夜尿症
五歳を過ぎてもおねしょを繰り返すのを夜尿症といいます。一般に、二歳半ばまでには、膀胱に尿がいっぱいたまったのが感じられるようになり、オムツが取れるようになります。
しかし、3〜4歳ごろまでは、まだ尿を我慢する力が弱く、夜はもちろん、昼間でも尿を漏らしてしまうことがよくあります。おねしょをするのはふつうのことです。
原因
赤ちゃんのときからずっと夜尿が続いている一次性夜尿と、いちどおさまったのに、また夜尿をするようになった二次性夜尿があります。
一次性夜尿は、膀胱の働きや、睡眠中の排泄を調節する機能が未熟であったり、尿を減らすホルモン分泌の調節が悪い場合が考えられます。
二次性夜尿は、心理的要因によると考えられています。また、糖尿病や尿崩症などの病気でも夜尿がおこることはあるので、よくのどが乾いて水分をたくさんとるような場合は検査も必要です。
治療
一般的な対応として、夕食後の水分をあまり採らないようにし、塩分を控える、就寝前にトイレにいかるようにします。夜、おこしてトイレに行かせるのは一回までにします。起こしても、自分で起きられるようにならないと、あまり効果はありません。しかっても、夜尿には全く効果がなく、かえって劣等感をもったり自身を失ったりして逆効果です。気にしないように安心感を持たせましょう。
子供が九歳以下の場合はあせらないで、一般的対応のみにします。十歳以上では、薬物療法をおこなうこともできます。抗うつ薬がゆうこうで、就寝前に内服します。抗うつ薬で効果がない場合、自律神経調節薬や、膀胱機能を調節する薬などを使います。さらには尿を減らすホルモンの点鼻薬があり、続けての使用や、宿泊学習のときなど一時的な使用もできます。尿が漏れたらアラームがなり続け、自分でアラームをとめるアラームシーツなどもあります。この装置を使っていると、やがて尿意を感じただけで目が覚めるようになりますが、効果がでるまではかなり時間がかかります。