どんな病気か?
関節麺からはがれ落ちた骨・軟骨などの小片が、ちょうどねずみのようにちょろちょろと関節内を動く状態を関節ねずみ又は関節遊離体といい、次のような原因でおこってきます。
離断性骨軟骨炎
関節麺の一部が、軟骨とその下の骨と一緒に人るのかたまりとなって関節内にはがれ落ちるものを言います。膝関節におこることが最も多く、ついでに肘関節で、その他の関節にはまれです。
知らず知らずのうちに受ける関節内の損傷が原因と考えられていて、テニス、野球、サッカーなどの膝や肘を酷使するスポーツ活動をしている成長期の子どもに多く起こります。
関節内は関節液で満たされていますから、はがれて落ちても関節液から栄養を受けている軟骨は死にませんが、血液から栄養の供給を受けている骨は壊死します。
骨軟骨腫瘍
関節を覆っている滑膜に変化が生じ、軟骨や骨を作り出してしまう病気です。この骨化したものがはがれて関節ねずみになります。
外傷その他
外傷によってはがれた骨片が関節ねずみになることがあります。また、関節は運動器なので、動かしているうちに自然に骨や軟骨がはがれ落ちて関節ねずみになることもあります。
症状
ふだんから軽い痛みがある場合もありますが、痛まない場合もあります。
はがれ落ちた骨や軟骨が、関節の骨と骨の間にはさまると、激しい傷みがおこり、関節を動かせなくなります。関節を引っ張ったり、振ったりすると治るのですが、これを繰り返しているうちに、ある角度以上に関節を曲げることも、伸ばすこともできなくなります。
治療
関節をX線撮影すると、はがれ落ちた骨片や軟骨片がうつることで診断できます。
はがれ落ちた部分が関節にとって必要でないのもであれば、関節の袋を切開して取り除きます。これは簡単な手術で、10日間ぐらいの入院ですみます。また、関節にとって必要な部分であれば、元の位置に戻し生き返らせる手術をします。その場合、7週間ぐらいの入院が必要になるでしょう。