どのような病気か?
痛風は、紀元前五世紀にヒポクラテスによって,腎臓結石との合併を認めたと記載され、エジプトの太古の墓地で、痛風にかかった骨が発見されてます。痛風はラテン語のしずくと言う意味です。当時は毒素が一滴一滴関節の中に落ちて起こると考えられていました。日本語の痛風とは、痛みの強い事の表現で,関節炎のあるうえを風が吹くだけで痛みが激しくなるところから命名されています。
この病気は、関節の痛みを起こす、尿酸代謝異常により起こる全身性の病気です。
日本における痛風の患者数は、人口の0.4パーセントを占め、発症率は圧倒的に男性に多く、女子と子供に起こることは少ないとされ、また、同一家計内に多く発症します。
どうして病気が起こるのか?
尿酸は、体の細胞の新陳代謝による老廃物で、腎臓から十分な速度で尿の中に排泄されますが、体の中で尿酸が沢山作られすぎたり、肝臓の障害で排泄が不十分な場合、血液中に余分な尿酸がたまって高尿酸血しょうのじょうたいになります。この尿酸が関節やその周辺に尿酸結晶として沈着すると、痛風発作といわれる激しい痛みが起こります。
どんな現れ方か?
痛風発作の一回目は、足の親指の付け根に起こることが最も多く、手の指、足、膝の関節、その他色々な関節に起こることもあります。2〜3時間後が痛み、腫れ、発赤がきわめてつよく、1〜2週間で完全におさまりますが、間隔を置いてまた起こります。
病気を治す
痛風治療薬には、痛風発作を一時的におさえる薬と高尿酸血しょうを治療する薬があります。後者は更に、体内で尿酸が出来るのを適度に抑える薬と、血液中の尿酸を尿中より多く排泄させる薬があります。尿酸を排泄させる薬では、血液中の尿酸量は減り、尿中の尿酸量は増加します。
治療上もっとも大切な事は患者の心構えです。痛風発作が静まっても、高尿酸血しょうのあることを忘れないように、定期的に通院し、医師の指示を良く守り、根気よく治療を続けなければなりません。