変形性関節症は、体重がかかる膝関節と股関節におこりやすいのですが、肘を酷使する人の肘関節におこることもあります。
特に体が丈夫で、若いころにスポーツをやったり、肉体労働に従事したりなど、自分の体に自身があって、関節を酷使してきた人に起こりやすいようです。
特に、若いころに関節を酷使して、関節の中を傷つけたといった人や、生まれつき関節がちょっと具合が悪いといった人に、老化が加わっておこることが多いものです。ただ、一概に膝を若いころに酷使したからといって、膝の変形を起こしていない方もいらっしゃいます。
つまり、変形性関節症は、一概には言えませんが、関節の老化によって起こる病気と考えてもよく、高齢化社会が進むにつれて患者数が増え、注目されるようになりました。
変形性関節症の症状
変形性関節症の症状は、関節の痛みが主です。
・痛みの特徴
発症初期の症状は、関節を動かし始めたときに痛みますが、少し動かしているうちに痛まなくなるといった、ちょうど関節の油切れのような関節の動き始めの痛みが特徴です。
たとえば、膝関節の場合、座っていたり、腰掛けていたりなどの一定の姿勢から、立ったり、歩き始めたりなどといったような動作の開始時が痛く、しばらく歩いているうちに痛まなくなります。
このような関節の痛みはいつの間にか起こらなくなるのですが、少し無理をするとまたおこってきます。これは関節が老化してきた証拠ですから、関節に無理な負担をかけないようにしないといけません。
関節の痛みは、よくなったり、悪くなったりを繰り返していきますが、特に、冷房の効いているところで長時間関節を冷やしたり、寒い季節に長時間歩いたりといったことがきっかけで痛みが強くなることが多いようです。また、湿気が多いと痛みが強くなる傾向にあります。
やがて、何年もたつうちに常に痛むようになります。人によっては痛みがなくなる方もいらっしゃいます。
・関節に水がたまる
関節液が増えて、いわゆる水がたまるといった、症状が現れることがあります。
たいていは、ちょっと転んだり、くじいたりといった、関節に何らかの刺激が加わった後で、急に水がたまりだすことが多いようです。
水がたまると関節は腫れ、突っ張って思うように曲げることができず、とても不快です。
・関節の外見が変形してくる
適切な治療を受けず、無理を重ねているうちに、関節の軸が狂ってきて、見た目にもわかるほどの関節の変形が起こってきます。さらに症状がひどくなると、関節が動かせなくなって、身の回りのことも自分でできなくなってしまいます。
たとえば、膝関節の場合、いつの間にか膝が曲がってがにまたとなることが多く、膝の内側が痛んで歩けなくなることさえあります。