腰痛だけで、他に病気らしい症状を伴わない場合は、たいていは骨、関節、筋肉に原因が存在しますが、その原因はつぎのようにわけられます。
骨性疼痛
腰部にある脊椎や骨盤などの骨に障害があって起こる腰痛を言います。がんなどの骨の腫瘍、脊椎炎や骨髄炎などの炎症、脊椎の圧迫骨折や骨盤骨折などの外傷、骨粗しょう症などの骨をもろくする代謝性の病気などが原因になります。
神経根性疼痛
腰部の、脊椎と脊椎の間にある孔から出ている神経が圧迫されて起こります。椎間板ヘルニアや脊髄腫瘍が原因で起こりますが痛みやシビレが足のほうへ走る症状がみられます。
椎間板性疼痛
脊椎と脊椎の間にはさまっていて、クッションの働きをしている椎間板に障害が出て起こる腰痛を言います。椎間板に変性や損傷は加わって、上下の脊椎が直接ぶつかったり、上下の脊椎をつないでいる椎間関節がずれたりして腰痛がおこります。
椎間関節性疼痛
椎間関節に障害があって起こる腰痛をいいます。脊椎分離症や脊椎すべり症がその代表ですが、体の深い部分に痛みを感じることもあります。
筋、筋膜性疼痛
脊椎は、周囲を取り巻いている筋肉によってしっかりと支えられています。この筋肉に障害が加わっておこる腰痛をいいます。長時間しゃがみっぱなしなどで腰部の筋肉が疲労したり、中腰で重いものを持ち上げたり、急に腰をひねったりしたときに起こります。
天候や動作で痛みが変化する
症状
重いものを持ち上げたり、腰を急にひねったりして起こる腰痛もありますが、大部分は日常の動作や姿勢をしていておこったり、思い当たることもないのに朝起きたら痛かったというのまであります。腰痛の原因は色々である為、痛みの度合いや現れ方もさまざまです。急に激しい痛みが腰に起こり、たつことも歩くこともできず、なか菜は体を動かすことも不自由になることがあります。俗にいうぎっくり腰がこれです。また、鈍い痛みや不快感、腰を伸ばすと痛むなどの症状が慢性的に続くこともあります。
多くは痛む部位、痛む範囲がはっきりせず、日によっては臀部や足にまで鈍痛や不快感,しびれ感を伴うこともあります。たとえば、腰部椎間板ヘルニアが原因で起こった腰痛は、大腿部の後ろから足の先まで痛みがはしる坐骨神経痛を伴うのが特徴です。
これらの症状は、雨の日などの湿気の多いときに強くなり、晴れると軽くなったり、長時間イスに座って仕事をしたり運動をすると激しくなり、安静にしていると軽くなるなど、天候や日常に生活動作によって変化するものもあります。