膝頭と膝頭の間が広く開いている状態をO脚といい、これとは逆に両方の膝頭が内側によっている状態をX脚といいます。
赤ちゃんはたいていはO脚で、二歳ぐらいになると治りますが、三歳ぐらいになると逆にX脚となり、四歳から五歳ぐらいでかなり目立つようになったあと、しだいに治って行くのが普通です。
こうした時期を過ぎても、O脚やX脚が治らない場合は一度整形外科で相談しましょう。
まれに、くる病などの病気が原因のことがあります。くる病とは。
カルシウムが骨に沈着せず、柔らかい骨様組織が全身の骨にたくさんできて、骨が硬くならない病気を骨軟化症といいますが、これが骨の発育期のおこった場合をくる病といいます。
症状・精神の不安定や不機嫌といった精神症状が起こっ足り、粘膜が弱くなる為に鼻炎、気管支炎、下痢などが起こりやすくなります。けいれんを起こすこともありますが、これは血液中のカルシウムが著しく減少したときです。
頭蓋骨が柔らかくなり、骨と骨のつなぎめの泉門がなかなか閉じません。胸郭は、肋骨前方の軟骨が肥大し、鳩胸になっていきます。
背骨は後方に突出したり、横に曲がったり(側湾症)します。
もっと目に付きやすいのは、関節端の肥大や下肢のO脚、X脚で、歩き始めたあとにO脚になることが多いようです。
原因・かつては、食事に含まれるビタミンDの不足や日光に当たる時間が短いことなどが原因で起こることが多かったのですが、現在ではこのような原因で起こるくる病は非常に少なくなりました。
現在では、ビタミンDは十分に取っていても、生まれつき体内でビタミンDを有効に利用できない体質のこどもにおこるくる病があって、注目されています。
そのほか、慢性の腎臓病、胃腸での消化不良、てんかん治療薬の長期間内服によっておこるくる病のあります。
このように一口にくる病といっても、原因は色々で、治療法も違ってくるので、それらしい症状にきずいたときは、小児科か、整形外科を受診し、よく相談することが大切です。くる病は、X線検査や血液検査で容易に診断できますが、原因の診断が何よりも大切なのです。
くる病でおこった、骨の変形、特にO脚は、適切な治療で治ることが多いのですが、治り方が不十分な場合でも、手術によって変形を矯正できるのです。