女性に多い悩み、手足のひえ。くつしたや手袋は必需アイテムですが、手足のひえを根本から解消してはくれません。くつしたや手袋が温めるのは、皮膚の表面だけ。手足に流れる血管の8割は、皮下から1mmちょっと内側にあり、その血流を促進しなければ、冷えは改善しないのです。
効果的な方法は、寒さに一番敏感な場所、首周りを温めること。でもなぜ手足から離れた首なのでしょうか?
体は寒さを感じると、体温を奪われないようにすばやく反応して、手足などの末端部分の血管を閉じて、血液が冷やされるのを防ぎます。くびはそのセンサーがあるところなのです。
手足の血管には動静脈吻合という部分があります。動脈と静脈を結ぶパイプライン的な役割を果たす部分で、体が冷えているときは、この動静脈吻合が収縮して血流が悪くなっています。
マフラーをするなどして首を温めると、体は体温を奪われる心配が少なくなります。すると動静脈吻合が10倍にも拡大し、動脈や静脈に温かい血流が流れるため、手足が温かくなるのです。
動静脈吻合はいったん閉じると、開くのに時間がかかるため、外出時には室内でマフラーを巻いてから外に出れば、手足は温かいまま。冷え性の人は部屋でもマフラーをして、寝るときも首周りを温かくして布団に入るとよいでしょう。