どのような病気か?
脊柱側湾症とは,脊柱の配列が右または左へ湾曲した状態をいいます。単に片側へ湾曲しているだけでなく、曲がっているところに捻れが生じます。
一つひとつの脊椎骨そのものに変形があるために脊柱が曲がるものを構築性側湾症といい、痛みや悪い姿勢によって起こる機能性側湾症と区別します。
側湾症の中で一番多いのは、特発性側湾症と呼ばれる構築性のものです。これは、思春期の女子に圧倒的に多く、成長とともに症状が悪化するのが特徴です。しかし、18歳を過ぎて成長が止まれば、脊柱の側湾も止まるのがふつうです。
どうして病気が起こるのか?
側湾症の七割を占めるのは特発性側湾症ですが、なぜこの病気が起こるのか、その原因については、まだよく分かっていません。成長の著しい思春期には、骨や筋肉の発育にアンバランスが生じやすいので、この成長のアンバランスによって起こるのではないかと推定されています。また、女子に多いことから、女性ホルモンの関与も考えられています。
どんな現れ方か
特発性側湾症は、やせて背の高い思春期の女子に圧倒的に多いのが特徴です。
小学校の4,5年生ころから気づかれるようになり、進行するにつれて、左右の肩の高さの違いや、胸腺の形、ウエストラインの不均衡など、背面の変形が目立ってきます。
入浴のさいなど、はだかになった時、おじぎをした姿勢で背中を見ると、背中の高さが左右で違う事によって発見できます。
病気を治す
特発性側湾症の治療は、脊柱の曲がり具合の程度によって段階的に行なわれます。
脊柱の曲がり具合は側湾度といい、X線写真に線を引いて、カーブの角度を測ります。側湾度が25度以上の場合には、装具治療を行ないます。装具は、ミルウォーキー装具とアンダーアーム装具が代表的なものですが、骨の成長が止まってからも、1,2年は続けるのが普通です。
変形が高度で、50度以上の場合は、手術療法を考慮しなければなりません。手術の目的は、変形の矯正と脊椎の固定です。胸や腹部を開いて、脊柱の前方から入れる方法と、背中から行なう二つの方法がありますが、いずれにしても大手術でスから、専門的に行なっている病院を受診する事をおすすめします。
手術以外にも、保存的治療としてマッサージや整体によるものがあります。当院でもある程度の改善は見込まれますが、その方によって改善度が違ってきます。装具をつけるといっても、日常では結構つらいものがありますし、手術といっても大きな手術なので中々踏み切れないものです。ある程度保存的療法を行なってから、それでもだめっ立ったら、最終手段として手術があると思っていた方がいいと思います。