さまざまな病気の総称
頸肩腕症候群とは、色々な原因で、首、肩、腕に痛みや痺れ間を起こす病気の総称で、単一の病気につけられた病名ではありません。したがって、頸肩腕症候群には、さまざまな病気が含まれていることになりますが、その中での多いものは,頸部変形性脊椎症、胸郭出口症候群、特定の職業にたずさわる人に多い頸肩腕障害などです。
検査により症状の原因が確定したら、それぞれの病名をつけ、頸肩腕症候群という名称は用いないのが普通ですが、検査では原因が特定できず、病名がつけられないということもあります。
この場合に、とりあえずの診断名として頸肩腕症候群と名づけて、経過を見ます。
しかし、狭義の頸肩腕症候群も、二回、三回と検査を重ねるなかで、原因が明らかになることが多いものです。
頸肩腕症候群という診断名をつけられた場合は、指示された検査を受けて原因をはっきりさせ、原因に即した治療を受けることが大切です、
原因不明の場合は対症療法を
原因がわかったときは、それぞれの病気の治療が、原因不明の場合は、症状に応じた対症治療がおこなわれます。
ふつう、鎮痛剤の使用や温熱療法やマッサージがおこなわれます。肩甲帯筋が弱っている場合はそれを強化する運動が指導されます。このような治療をしばらく続けるうちに、ほとんどの人は症状が消えますが、中には治療と観察を続ける過程で、胸郭出口症候群であったり、頸部変形性脊椎症の初期症状であることがはっきりすることもあります。