どんな病気か
斜角筋三角を通過した神経血管束は、次に第一肋骨と鎖骨の間の狭い隙間を通りま
す。肋鎖症候群とは、この通路が狭くなって神経血管束が圧迫される病気で、頸肋
症候群や斜角筋症候群とほぼ同様の症状が現れます。
原因
鎖骨の骨折で治癒後変形が生じたもの、第一肋骨の形状異常、頚椎や胸椎の側わ
ん、なで肩体型などが原因となります。また、お腹の大きくなった妊娠末期の女性
は、常に方を後ろに引いた姿勢をしているため、このびょうきになることがありま
す。
検査と診断
鎖骨骨折の既往、妊娠末期、なで肩などの条件が診断の参考になります。さらに
エデンテストが陽性であれば、この病気と診断されます。これは肩を張り、次に肩
を下げたときに、とう骨動脈の脈が弱くなるか、ふれなくなるのを陽性とします。
治療
症状が強いときは、上肢帯の重みを軽くする為に三角巾などで腕をつったり、そ
れで症状が和らぐときは肩甲帯筋を強化する運動をおこないます。鎮痛剤の使用や
温熱療法が補助的におこなわれる事もあります。
こうした療法をしばらく続けてもまったく効果がないときは、第一肋骨を切除す
る手術も考えなければなりません。