●「循環のサイン」は息・せき・動き
「循環のサイン」とは、心臓が動いているかどうかを知るサインのことです。二回の人工呼吸によって相手が息を吹き返したかどうかを確かめなければなりません。具体的には、
1・息をしているか、目で胸の動きを見たり、耳を傷病者の口に近づけて呼吸の音を聞く。
2・せきがある。
3・体の動きがあるか、自分の上半身をやや持ち上げて全身をさっと見回します。
これらを10秒以内に見ます。ごろあわせで「息・せき・動き」と覚えるとよいでしょう。
従来行われていた脈の確認は、現在では一般の人は行いません、医療従事者に任せましょう。
これまでは心臓が動いているかどうかは、脈を触れることで確認していました。しかし、一般の人では確認に時間がかかり、また実際には脈を触れないにもかかわらず「触れる=心臓が動いている」と間違ってしまうことが約10パーセントに見られることがわかりました。
この場合、傷病者は心臓マッサージを受けることなく死んでしまいます。このような危険をおかしてまで脈の確認をする必要はなく、代わりに「循環のサイン」を用いることになりました。