○イヌ、ネコにかまれたとき
イヌやネコには鋭い牙があり、かまれた場合は、傷口が化膿し膿が出たり高熱がでたりします。また、破傷風になる可能性もあります。
狂犬病については、今の日本、英国、スカンジナビア半島諸国を除く全世界に広く分布しています。狂犬病ウイルスはイヌ、ネコ、キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリ、ジャッカルなどの野生動物に感染し、これらの感染動物から狂犬病が発病する場合があります。狂犬病は、いったん発病すると有効な治療法がなく、ほぼ100パーセント死亡する恐ろしい感染症です。対策は、輸入動物の検疫強化と、狂犬病発生地域へ旅行する場合は、現地で動物にかまれないよう十分注意することが大切です。
○蛇にかまれたとき
日本国内の毒蛇は、マムシとヤマカカシ(本土のみ)、ハブ(鹿児島県トカラ列島の一部、奄美群島、沖縄県)の三種類です。
マムシとハブは頭が三角で、かまれると激痛がして赤く腫れてきます。また、蛇の毒により平行な二個の傷がみられます。かまれたところに激痛があり、赤く腫れて牙痕をみとめるときには毒蛇の可能性が非常に高いと思われます。
ヤマカカシは上顎の奥に毒牙があり、かまれた場合の牙痕は不明瞭で、症状も強くありません。しかし、かまれてから5〜10時間後に出血しやすい症状(咬傷部からの出血、歯ぐきからの出血、鼻出血、皮下出血)があり、最悪の場合は死亡例も報告されています。咬まれてから時間がたっても「おかしいな?」と思ったら、すみやかに医療機関を受診しましょう。
蛇に咬まれたときは、あわてないことが大切です。あわてて動き回ったりすると手足の血流がよくなり、その分、短時間で全身に蛇毒もまわってしまいます。蛇に咬まれたら、落ち着いて咬まれたところより体側をタオルなどで軽くしばり、咬まれた場所は氷水などで冷やします。