○ネズミにかまれたとき
日本には、ドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミ、ハタネズミなどが生息しています。さらにリスや、ペットのハムスターを総称してげっ歯類といいます。げっ歯類は先の鋭くとがった一対の前歯をもち、これに咬まれると深い咬傷となり、細菌感染をおこし化膿します。
ネズミ類に咬まれたときは、咬み傷を水道水などでよく洗い、消毒液で消毒し、清潔なガーゼでおおってから医療機関を受診します。ネズミ類は腎症候性出血熱、ツツガムシ病、レプトスピラ症の感染症を、海外ではペスト、ラッサ熱、エボラ出血熱などの恐ろしい感染症を媒介しています。
さらに、ハツカネズミやハムスター、モルモットに何回か咬まれているうちに、これらの動物の体液や体毛のタンパク質に対する抗体ができ、かまれれアナフラキシーショックを起こし、死亡することもあります。
○ハチや魚のとげに刺されたとき
ハチに刺された場合は、きれいに洗った毛抜きなどでハチの針を抜いて、刺されたところをよく消毒します。しかし、ハチ刺傷で最もこわいのはアナフィラキシーショックです。これは、ハチ毒に対する抗体ができて、その人が二回目以降同じ種類のハチに刺されると起こります。ハチに刺されてから数分以内に全身の皮膚が赤くなり、嘔吐や呼吸困難を訴え、意識がなくなり、血圧も低下します。死亡することもしばしばあり、具合がおかしくなったらただちに救急車を呼びましょう。
魚のとげなどに刺されたときは、とげ抜きで抜き取り、消毒し清潔なガーゼを当てておきましょう。
○植物や化粧品にかぶれたとき
皮膚にかぶれをおこす植物としては、ウルシ、ハゼ、ギンナンが有名ですが、キク、セロリ、イチジク、アロエでかぶれる人もいます。また化粧品や家庭用品(洗剤、装飾品、手袋、時計バンド)も、かぶれの原因となります。
皮膚がかぶれると、赤く腫れ、強いかゆみをともないます。やけどのような水泡になることもあります。かぶれた場合は、水道水で十分に洗い、かゆみ止めの軟膏を薄く塗り、清潔なガーゼでおおっておきましょう。手指の細菌が、ただれた皮膚に感染し症状が悪化するので、かゆいからといってかきむしるのは禁物です。また、かぶれが三日以上しても治らなかったり、水疱やただれがひろがったり、かぶれた皮膚が黒ずんできたときはすみやかに皮膚科の受診を受けてください。