呼吸困難とは、室内でふつうの空気を吸っていて苦しさを覚える症状です。
○呼吸困難をおこす病気・けが
呼吸困難が強くなると、肩で息をし、唇や指先が紫色になるチアノーゼという症状が見られます。こういう場合は救急車を呼んで、酸素吸入を受けながら医療機関へ搬送してもらいましょう。
○重症の呼吸困難を起こす病気
1気管支喘息
気管支喘息は、季節の変わり目などに発作を起こすと、ゼーゼーといって呼吸困難を訴えます。喘息の発作が重症のときは、会話が困難で、冷や汗をかき、下着がぬれています。
このような症状があるときは重症の喘息発作ですから、ただちに救急車を呼びます。ごく短時間のうちに呼吸停止となり、死亡することがあります。
2肺塞栓
長い時間寝たきり状態だったり、長時間同じ姿勢をとっていると、足の深部の静脈に血のかたまり(血栓)ができやすくなります。この血栓が血流に乗り、肺にまで達して肺静脈を閉塞するのが肺塞栓です。
例えば、手術のために長い寝たきりだったり。国際線の飛行機や長距離バスに乗っていたり、2004年の新潟県中越地震のさい、狭い車内で夜を過ごしたりした後、歩きはじめた最初のころに突然、呼吸困難、胸痛、せき、血たんがみられます。肺塞栓症も、急死する可能性の高い病気です。
3心不全
以前に心筋梗塞などをわずらったことがあり、そのため心臓の機能が低下している状態を心不全といいます。心不全には、慢性的にじわじわと症状が出てくる慢性心不全と、比較的短時間に呼吸困難やピンク色の泡のようなたんをだす急性心不全とがあります。
心不全の人は、息苦しいため、横になれず、座ったままの姿勢を保とうとします(起座呼吸)。起座呼吸がみられる心不全は、急激に症状が悪化することが多く、ただちに治療が必要です。