発熱は、38度未満の微熱と、38度を超える高熱とに区別されます。微熱だからといって安心はできません。
発熱の原因の多くは感染症(細菌やウイルスなどの微生物による病気)ですが、膠原病、悪性腫瘍、熱射病、薬の副作用、脳出血などでも高熱が見られるときがあります。
○子供の発熱
子供の発熱の多くは感染症で、しかもカゼ症候群(感冒)、咽頭炎、気管支炎、肺炎などの呼吸器感染症が大多数です。しかし、虫垂炎、中耳炎、白血病による発熱もあります。
○大人の発熱
大人も子供と同様に呼吸器感染症が多く、そのほかに腎盂腎炎、胆のう炎、虫垂炎、膠原病、悪性腫瘍、薬剤の副作用による発熱もみられます。
○海外からの帰国者が発熱したとき
海外、特に東南アジアやアフリカから帰国して発熱した場合は、マラリア、チフス、デング熱、急性A型肝炎のこともあります。感染症の専門家がいる病院を受診しましょう。
◎発熱の手当て
発熱以外の症状がなく、元気で機嫌もよく、いつもどおりの食事ができている場合は、様子を見ながら手当てをします。
悪寒や古江があるときは、全身の保温に注意し、温かい飲み物を与えるようにします。高熱のときは、全身の保温に注意し、氷のうや水枕で頭部を冷やし、汗でぬれた下着はこまめに取り替えるようにします。
○ただちに病院を受診すべき発熱
発熱以外にさまざまな症状をともなっているときは要注意です。意識障害や頭痛、けいれんをともなうときは、脳炎、髄膜炎、脳出血を疑います。
嘔吐や腹痛をともなうときは、胆のう炎、胆管炎、肝膿瘍を疑い、発熱に排尿時痛やわき腹のこう打痛をともなうようであれば、尿路感染症、特に腎盂腎炎が考えられます。
このように発熱以外に強い症状があり、元気がなくなってきたり食欲がなくなったりするときには、注意しましょう。
また、熱があるからといって安易に解熱剤に頼らないことが重要です。