◎吐血と喀血
吐血とは、食道、胃、および十二指腸から出血した血液を吐き出すことです。大量の吐血は出血性ショックになり死亡することがあります。また、吐血した血液が気道に入って窒息したり、誤嚥性肺炎を起こしたりすることもあります。
喀血とは、気管、気管支、肺から出血した血液を喀出することです。喀血では、吐血のように出血性ショックになるほどの大量出血はほとんどありませんが、血液が気管や気管支をふさいで窒息したり、重症の肺炎を起こすことが多く、やはり生命にかかわる症状です。
◎吐血のときの手当て
吐き気があるときは、洗面器などに吐かせます。吐血の場合は、大量出血により血圧が下がっていることが多く、無理に立たせておくと、めまいを訴えたりして倒れてしまうことがよくあります。
吐かせるときは、血液が気道に入ったりして窒息や誤嚥性肺炎を起こさないよう、ネクタイやシャツのボタンははずし、回復体位をとらせて吐かせ、吐いた後も十分に注意して見守ってあげることが大切です。
◎喀血のときの手当て
喀血では、血液が気管や気管支をふさいで窒息したり、重症の肺炎を起こすことが多いため、すぐに救急車を呼ぶことが大切です。
救急車がくるまでの間、呼吸をらくにするために、衣類は緩め、横向きに寝かせ、回復体位にします。そして、口のなかにたまった血液は、すぐに吐き出させてください。喀血のときも、水を飲ませたりすることは厳禁です。