◎尿の検査 つづき
○尿糖
糖尿病の一時スクリーニングに有効
血液中のブドウ糖(血糖)は腎臓を通過するとき、一部は糸球体でろ過されて尿中に入りますが、途中の尿細管で再吸収されるため、通常では尿中には出てきません。しかし、血糖値が高くなると、糸球体でろ過されるブドウ糖が多くなり、尿細管での再吸収能を上回るようになるため尿糖が検出されるようになります。
すなわち、糖尿病であっても、血糖のコントロールがよくなったり、軽い場合には尿糖は陽性にはなりません。尿糖の検査だけで糖尿病の存在を否定することはできないので巣。逆に、尿糖が陽性であっても糖尿病以外の他の疾患によることもあります。
○尿タンパク
腎臓、膀胱疾患で陽性
健康な人でもごく微量の尿淡白が検出されますが、一日150mg以上排泄されると病的とされます。
蛋白尿は本来一日の排泄量で調べるものですが、一般的には随時尿を測定して、その濃度から判断します。このため、多量に水を飲んだときの薄い尿では、結果が変わってしまうこともあります。
運動時や発熱時の蛋白尿、立位を取ったときにみられる蛋白尿は腎臓に原因があるわけではなく、病的なものとはみなされません。急性糸球体腎炎やネフローゼ症候群などでは、大量の蛋白尿のために血液中のタンパク質が減少するようなことがおこります。膠原病でも腎臓に病変があると、蛋白尿が見られ、糖尿病では腎症に進むと蛋白尿が出現し、透析療法が必要になります。
糖尿病腎症の初期をとらえるためには、尿中の微量アルブミン検査も行われています。