原因のはっきりしない激しい痛みが突然おこってきた場合は、頭痛でも胸痛でも腹痛でも、部位が何処であっても、急な治療が必要な重病の可能性があります。
特に、顔が蒼白になり、手足が冷たく感じられたり、冷や汗が出たり、吐き気や嘔吐のある場合や気が遠くなった場合には、血圧が下がっていたり、ショック状態にあることが考えられるので、至急診察を受ける必要があります。
痛みのために身の行き場がなくて、転げまわったりしないように、なるべく静かにさせ、原因のわかるまでは、胸や腹を冷やしたり、温めないほうがよいでしょう。
手足が冷たくなったり、ふるえがきた場合は、体全体を毛布などでくるみ、手足を暖めることもよいでしょう。
急な激しい頭痛はくも膜下出血で見られ、さらに意識障害におちいることもあります。また激しい胸痛は、狭心症、心筋梗塞、解離性大動脈瘤、肺梗塞の可能性があります。肺梗塞では呼吸困難やせきが出ることがあります。
解離性大動脈瘤の場合は、前胸部から背部、さらに腰部へと移行する激痛が特徴です。腹痛の場合は胆石による急性胆のう炎、急性膵炎、虫垂炎、イレウス(腸閉塞)、胃・十二指腸潰瘍による消化管の穿孔、腹部大動脈瘤の破裂、卵巣嚢腫の茎捻転や子宮外妊娠などの婦人科の病気でみられ、尿管結石の場合は側腹部から背部痛が見られます。