精神に障害を起こす原因は、器質性、機能性、心因性の三つの精神病が考えられます。外傷、中毒などで脳に障害を起こし、精神に異常をきたすものを器質性精神障害といいます。心配、不安、悩みなどが高じる精神的影響によって、こころのはたらきに故障を起こすものを心因性精神障害といいます。
脳や体に何の物質的変化も認められず、精神的な原因もはっきりしない精神障害(統合失調症、精神分裂病、や躁うつ病)があります。これを機能性精神障害(内因性精神病)といいます。
精神の異常は、振る舞い、顔つき、話し方、話の内容などにあらわれるその人の気持ちの故障から察するよりほかありません。脳に物質的な変化、または病気がある場合(意識混濁状態、記憶減退状態、知能低下状態)と、脳は物質的におかされておらず、病気もない場合とが有ります。
◎思考の乱れ
支離滅裂になる統合失調症、次々に話題が変わる統合失調症や躁病、逆に渋滞するうつ病、脳梗塞、てんかん、精神発達遅滞などがあります。
◎離人症状
自分の体が自分のものという感じがしなかったり、外界の状態がよく感じられない状態です。統合失調症、うつ病、または神経症にみられます。
◎興奮
健康な人も興奮しますが、原因がなくなるとすぐおさまります。病的な興奮では、はっきりした原因もなく興奮し、体が落ち着かなく、多弁になります。躁病や統合失調症、心因性の興奮や、アルコール、覚せい剤による興奮、ステロイドを大量に服用したときなどの薬物による興奮もあります。
◎心気・不安・抑うつ状態
頭が重い、体の調子が悪い、眠れない、疲れやすい、記憶力が減ったなど心身の不調を訴える状態です。
神経症やうつ病が考えられます。神経症には不安障害、恐怖症、強迫性障害などがあり、自律神経の失調が高じると、性格異常とみなされることもあります。