手足や指の痛みは、神経痛や血管・リンパ管の病気などによってもおこることがあります。
◎神経痛
神経痛は末梢神経障害による痛みを意味します。臀部から下肢の後ろ側にかけて痛む坐骨神経痛をはじめとして、四肢には上腕神経痛のような神経痛がよくおこるものです。
神経痛は、病名として取り扱うより症状と考え、できるだけその原因をはっきりさせて、対症療法より原因療法を行うべきです。
原因としては、帯状疱疹(ヘルペス)というウイルス疾患、糖尿病、中毒、腫瘍や骨による圧迫、椎間板ヘルニアなど色々な病気があります。肺がんでは腕の神経痛がおこることもあります。また原因があきらかでない神経痛もありますが、全部を単純な神経痛としてかた付けないようにしましょう。
◎血管、リンパ管の病気による痛み
手足へいく動脈や静脈が狭くなったリ、閉塞したりするため、血液が十分循環しないためにおこる痛みです。
動脈が狭くなったために、血流が減少して起こる下肢の痛みは、歩行時に増強し、歩けなくなることがありますが、いったん休むと、再び歩行可能となる特殊性があります。これを間歇性は行といいます。
糖尿病、高脂血症、高血圧や喫煙者に合併してくる下肢の閉塞性末梢動脈硬化症は、近年増加しており、間欠性は行がみられます。青壮年の男性にみられるビュルガー病は、閉塞性血栓性血管炎とも呼ばれ、間欠性は行、下肢の安静時疼痛、難治性潰瘍がみられます。このほか、レイノー症候群、リンパ管炎、動脈塞栓症、血栓性静脈炎でも手足が痛むことがあります。
◎その他の痛み
インフルエンザ、敗血症など、高熱の出る病気に伴って手足や関節が痛むことがあります。
他に痛みを起こすものに、足の指骨のケーラー病、うおのめ、職業病ノキーパンチャー病などがあります。